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コラム

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2014年 第3回 遺言は書いたほうがよいのか
山根 裕子  ⇒プロフィール

相続の揉め事というのは我が家には関係ない。とおっしゃる方もたくさんおられます。 「我が家は家族が仲が良いので相続が起きてもみんなでちゃんとやってくれる。」あるいは「うちには財産がないから揉めようがない。」と言われますが、仲が良いのは家族をまとめる重石になる方がいるからですし、財産がないと言っても、本当に何もない人はほんの少しです。 遺言をぜひ書いたほうがよい人はどんな人か、どのように遺言を書いたらよいのかをまとめてみました。

相続が発生すると、故人の財産はこの世にいる人や組織等が引き継ぎます。故人のままということはできません。引き継ぐ方法は故人が指定することができます。指定は「遺言書」によって行います。遺言書に書けば、引き継ぐ相手は人・組織を対象にできます。相手が家族でなくてもいいし、団体や会社でもできます。

遺言書がない場合に初めて、前回書いたように民法で定められた「法定相続人」に引き継ぐことになります。誰が、どんな割合で引き継ぐ権利があるかということが民法に書いてあります。

 

「誰が」「どんな割合で」ということについて、故人の申し送り(遺言)がない場合に拠り所とするために民法の定めがあるわけですが、実はこの「民法のとおり」というのは難しいし、揉め事のもとになるのです。

 

遺言を書かないと遺せない相手(法定相続人以外)がいる場合。遺言を書かないと遺せません。

・内縁のパートナーや養子にしたい人がいる場合(再婚した夫婦の場合、婚姻届だけでは相手の連れ子と親子関係にはなっていません)

・面倒をみてくれた、世話になったなどの相手が法定相続人でない場合

・子供がいるが、兄弟姉妹や孫などに財産を遺したい場合

・事業をされていて、特定の人に事業を承継して欲しい場合

・相続すべき親族がいない場合

・組織や団体、会社に寄付や寄贈をしたい場合

 

上記に加えて「法定相続人」に対してであっても、遺言によって引き継ぐ割合や内容を指定するのは以下のような場合です。

・子供のいない場合(子供がいないと法定相続人は配偶者と親、親もいないと配偶者と兄弟姉妹になります)

・法定相続人がたくさんいる場合(高齢になって兄弟姉妹の相続人がすでに死亡している場合、その子供達(甥や姪)が相続人になるので、法定相続人の数が多くなります。)

・自分の死後も面倒を見なければならない特定の子供がいる場合

・面倒をみてくれた、世話になったなどの身内がいる場合

・行方不明、又は音信不通などの相続人がいる場合

・財産の種類や量が多い場合

・事業をされていて、特定の身内に事業を承継して欲しい場合

 

相続財産が金銭だけで、本当に法定相続割合で相続されれば良い場合には財産の分割は容易ですが、民法の定めに従った「公平」であればよいとも限りません。

同じ家族で今まで来たとしても、本当に「公平に」過ごしてきたなどということはありませんし、法定相続人だけに財産が引き継がれればよいわけではない事情もたくさんあります。ご自身の財産について考えた時に、「法定相続人」に「法定割合」で承継されるのでよしとされる方以外は、「遺言を書いたほうがよい」対象といえるでしょう。

 

遺言にはいくつかの方法があります。いつでもどこでも作成できるのは自筆で書く「自筆証書遺言」ですが、形式などを満たすのがやや大変ですし、開封は家庭裁判所で行わなければならないので、内容がごくごくシンプルでなければあまりお勧めできません。

公証人役場で公証人の前で、2人の証人の同席のもとに作成する「公正証書遺言」の方法ですと、作成の時には公証人役場に行く手間や費用がかかりますけれども、実際に遺言書が登場する際に保管や開封の点で問題が起こることは少ないです。

 

遺言では、財産を相続する相手や内容について記載する他に、葬儀を行うとかお墓を守っていく人を指定するとか、遺言の内容や亡くなったあとの依頼事項などについての想いを記すこともできます。

 

財産の分け方についての記載で気をつけたいのが「遺留分」です。

遺言で「全部の財産を◯◯に相続させる」と書くこと自体は有効ですが、「遺留分」のある法定相続人が自分の権利を主張した場合にはその主張を拒むことはできません。

「遺留分」とは自分の相続分の1/2です。法定相続人のうち、配偶者・子供・親がその権利を持てます。(兄弟姉妹には無し)例えば「全財産を妻に」とした場合に子供が1人いたら、その子供は自分の相続分の1/2、つまり財産の1/4を「遺留分」として主張できることになります。

次回は相続税についてお話いたします。

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