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コラム

- 住宅資金・FP相談の現場から

2014年 第6回 単身世帯の住宅資金計画
山下 修一  ⇒プロフィール

住宅資金のご相談を受ける中、ここ最近5~6年で顕著に見られる傾向として、単身者が購入されるケースが増えてきたことです。そのうち8割超が30~40代シングル女性のマンション購入となっています。女性の社会進出や晩婚化が進んだためと考えられますが、人生で一番高い買い物(不動産取引)を女性1人で考えるリスクは避けたい、売り手側の論理に乗せられてはいないかと心配される理由があり、専門家のもとへ来られるようです。
では単身世帯の住宅資金計画をどのように考えていけば良いのでしょうか?
あまりにも簡単に考えてしまうと、後々の人生にとって重荷になってしまう可能性を十分はらんでいます。30~40代シングル女性のケースに焦点を当ててお伝えいたします。

●マンションは自分のお城

安倍政権が掲げる「女性の社会進出」ですが、以前から大企業を中心に女性が働きやすい職場作りにする風潮は高まってきているように感じます。それとともに勤続年数が長くなり、経済的な基盤が厚くなってきたことで、住宅を購入できる資金力も付いてきました。そうなると結婚=人生のゴールという考え方が薄れていき、その反面自立心が強くなってきたように思います。

 

一方、不動産業界や金融業界としても「自分の城=マンション」と見ている女性を重要なマーケットとして捉えており、積極的にセミナーや広告を展開して購買意欲を喚起しています。特に大都市圏ではファミリー世帯よりシングル女性を意識した造りのマンションを展開している事例を見かけます。そこでシングル女性が資金計画を考えるにあたって注意・確認しておくべき点を述べていきます。

 

●まずは自分のライフプランを作成

ご相談前に資金計画を確認すると「おひとりさま」ということで「身軽だし、現状の延長線で大丈夫でないか。」と考えておられる方を見かけます。もしかするとそこに落とし穴があるかもしれません。

「家賃並みの住宅ローンが組める」のトークで購入を勧められた場合には注意が必要です。おひとり様であっても、数十年に渡るお金の流れを掴んでおくこと。つまりライフプラン作成(キャッシュフロー表を重点)による長期的な展望と考察が必要です

 

●ライフプランによる考察のポイント

ご自身の年齢推移とキャッシュフロー表を中心に隠れたリスクがないかを点検します。

たとえば以下のような4つの側面からチェックしてみてください。

1.収入面のチェックポイント

□右肩上がりでないと住宅ローンの返済が成り立ちたない

□住宅ローンの返済期間が勤続予定期間より10年以上多くなっている

□住宅手当に期限がある、または減額される    

□40代後半以降に女性が働ける姿がイメージしにくい

□関連会社への出向や転籍が人事慣習になっている

□全国規模なので転勤の可能性がある

□毎年の営業成績が年収に影響する

□ボーナスの割合が多く年収に影響する

□同世代にしては年金加入期間が少ない

□退職金が不透明

 

2.支出面のチェックポイント

□住宅ローンが変動金利で35年。金利が上がると対応できない不安がある

□住宅ローン以外の維持費をあまり把握していない

□地域が変わって以前より生活費がかかりそう

□持病があり継続的に医療費がかかる

□加齢に応じた医療費増を見込んでいない

□この先も自家用車が必要である

□生命保険に入っておかないと不安である

□クレジットカード払いが主流で実体生活費を把握できていない

□親へ仕送りが発生しそうである

 

3.貯蓄面のチェックポイント

□住宅購入後に生活費1年分が確保されていない

□繰上げ返済用の貯蓄が出来そうにない

□株式や外貨などリスク資産が中心である

 

4.物件や状況面のおチェックポイント

□途中賃貸や売却による住宅ローン返済に不安が伴う

□長期修繕計画(修繕負担増が有るか)を確認していない

□住宅ローン控除を受けられない物件である

□奨学金等の返済が10年以上残っている

□いざという時に親族に頼れない

□将来は親の介護が想定される

 

いかがでしたでしょうか?

決して1つでもチェック(レ)が入ると、もう厳しいというわけではありません。

ただ目安として4項目以上チェックが入るようですと、マンション購入が人生の重荷となる現実味を帯びてくるかもしれません。

ぜひ専門家に一度相談して総合的に見ていただくことをお勧めしたいと思います。

 

住まい探しのフリーペーパーでは「今の収入で買える額」のような販促記事をよく見かけます。

しかし、購入時点の収支で考えた結果より、長期にわたる収支から目処がついた結果を持って、モデルルームへ足を運ぶほうが「買えるという安心感」を持てるのではないでしょうか。

 

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