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コラム

- 確定拠出年金 きほんのき

2015年 第6回 「選択制」の確定拠出年金
宮一 幸子  ⇒プロフィール

「選択制」の確定拠出年金は、企業型の導入方法の一つです。会社が確定拠出年金を導入する際、全員加入ではなく、従業員が確定拠出年金を「活用する・しない」を選べるようにしたものです。

●活用する・しないの選択は任意

従業員が確定拠出年金を「活用する」と選択すれば、掛金は毎月確定拠出年金口座に入金されます。「活用しない」と選択すれば、掛金相当額は給与と一緒に給与口座に入金されます。

①退職金の選択制と②ライフプラン手当の選択制の2つがあります。

 

①    退職金の選択制

通常、退職金は会社サイドで積立てて運用し、従業員が退職時に受け取るものですが、これは従業員自らが退職金の積立金の活用方法を選べるしくみです。従業員は退職金の積立金を確定拠出年金で積立てるか、「前払い退職金」として受け取るか選べます。「前払い退職金」とは退職金を退職時でなく、給与に上乗せして先にもらってしまうということです。

 

②    ライフプラン手当の選択制

これは給与や賞与の一部を「ライフプラン手当」などという名称で区分します。たとえば従来の給与が30万円だったら、「新給与24万5,000円、ライフプラン手当5万5,000円」というように改定します。総額は変わりません。そしてそのライフプラン手当の活用方法を従業員が選択できるしくみです。「ライフプラン手当は全額給与と一緒に受け取る」と選択すれば、給与口座に入る金額は従来と変わりません。「ライフプラン手当のうち5,000円だけ確定拠出年金を活用する」と選択すれば、給与口座に入る金額は29万5,000円となります。

 

一般的に②のほうが「「選択制確定拠出年金」と呼ばれています。「給与(賞与)切り出し型」や、いち早く活用している企業の名をとって「ユニクロ方式」とも言われます。

 

●確定拠出年金を選択すると税金・社会保険料がかからない

給与と一緒に受け取ると選択すれば、給与と同じ扱いです。税金・社会保険料が差し引かれるので給与口座に入金される金額は少なくなります。

いっぽう確定拠出年金の掛金にすると給与とはみなされないので、税金・社会保険料がかからず掛金額がそのまま確定拠出年金口座に入金されます。そして運用時も受給時も税金のメリットが受けられ効率的に老後資金が準備できます。

 

●②ライフプラン手当の選択制について

②のライフプラン手当の選択制では、(掛金額×12か月分)課税対象の所得が下がるので所得税と住民税が安くなります。

また掛金額分、社会保険料の対象の報酬が下がります。4月・5月・6月の社会保険料の算定月において標準報酬月額の等級が下がった場合には社会保険料が安くなります。社会保険料は労使折半で負担しているので会社も従業員もそれぞれ社会保険料が安くなります。

 

新給与の改定により、基本給で算定される残業手当や賞与に影響が出てしまう場合には、新しい給与規程で「新基本給+確定拠出年金掛金」によって算定すると変更すれば問題はありません。

ただ標準報酬月額の等級が下がると、社会保障の受給額に影響があります。影響を受けるのは厚生年金のほか、健康保険の出産手当金・傷病手当金、雇用保険の失業手当・育児休業手当・介護休業手当などです。

ただ、メリット(積み上がった老後資金+税金・社会保険料の非課税効果)とデメリット(受給額の減少)を比較すると充分メリットのほうが上回るといえます。

 

●注意点

確定拠出年金は基本的に途中でやめることはできません。いったん確定拠出年金の活用を選択したら、「やっぱり全額給与口座でもらいたい」というような変更はできません。また積み立てている資産は原則60歳まで引き出すことができません。

 

●会社にとって

選択制確定拠出年金は従業員が自ら選択しているので、主体的にライフプランを考えることになります。確定拠出年金の掛金と給与口座で受け取る金額の組み合わせパターンや金額変更できるルールなどを定めれば、よりライフプランにあわせて柔軟に選択できます。長期的に主体的な人材の育成につながっていくといえます。

 

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SEO対策などweb上の誘導施策を行わず、地道に「顧客利益優先」原則に基づき、実務家FPの活動をしてきて、12年。
登録者の入れ替わりが進む中、倫理面が重視される昨今の世の中で、多くのみなさんに支持頂いているようで、感謝の言葉しかありません。
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マイアドバイザー運営者 株式会社優益FPオフィス 佐藤益弘

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