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コラム

- 「海賊とよばれた男」がもっと楽しめる!原油の話 PartⅡ

2016年 第5回 日本の石油 ~臭水~
三次 理加  ⇒プロフィール

「海賊とよばれた男」は、石油を武器に世界と戦った日本人を描いた歴史経済小説。 皆さんもご存知の通り、日本は、原油のほとんどを輸入に頼っています。しかし、日本でも原油が採れることをご存知ですか?

出光興産と昭和シェルが2017年4月に予定していた合併を延期しましたね。

合併延期は、出光の大株主である創業家が出光と昭和シェルとの社風の違いを理由に、合併に反対していることが理由です。

 

『「海賊とよばれた男」がもっと楽しめる!原油の話』第1回でご紹介したように、石油メジャーとの資本関係から、昭和シェル石油は「外資系元売り」、日本資本の出光興産は「民族系元売り」と呼ばれます。世界的な石油業界再編の流れや国内石油業界の競争激化という背景を考えると、たしかに、両社が合併して成長の機会を模索することは大切なことでしょう。

 

一方で、「海賊とよばれた男」で描かれていたエピソードを思うと、純粋な日本資本の会社、「民族系元売り」を守りたい!という気持ちになってしまいます。創業家が反対するのも、なんだかわかるような気もしますね。

 

出光興産と昭和シェルの合併問題を考えながら、「海賊とよばれた男」を再び読んでみると、このニュースがまた違った形でみえてくるかもしれませんね?!

 

さて、本題に入りましょう。皆さんは、日本でも原油が採れることをご存知でしたか?

 1)燃える水と燃える石

『「海賊とよばれた男」がもっと楽しめる!原油の話』第6回でご紹介したように、古くは「日本書紀」に、石油に関する記述を見ることができます。天智7(西暦668)年7月、越の国から天智天皇へ「燃える水と燃える石」が献上されたという記載があります。

おそらく「燃える水」は石油、「燃える石」は石炭のことだと思われます。

 

「越の国」は、現在の新潟県。実は、新潟県は、古くから日本最大の原油生産地なのです。

       

「海賊とよばれた男」の舞台となる時代、たとえば昭和14(1939)年における国内原油生産量トップ10には、秋田県で5つ、新潟県で5つの油田がランクインしています。ちなみに、当時の国内原油生産量は35.7万キロリットルでした。(注1)

注1:数値は「石油統計年報」通産省

 

2)現在の国内原油生産量

それでは、現在の日本における原油生産量はどのくらいあるのでしょうか?

 

平成27(2015)年における国内原油生産量は、59.63万キロリットルです。この内、63.9%が新潟県から生産されています。(注2)戦前に比べると、生産量は随分と増えていますね。

なお、新潟県の他には、秋田県、北海道に主要な油田があります。日本最大の油田は、秋田県にある八橋(やばせ)油田です。

注2:数値は、新潟県ホームページ

 

平成26(2014)年度における日本の原油自給率は0.3%、残り99.7%を海外からの輸入に依存しています。(注3)図表1をご覧いただければおわかりのように、国産原油の占める割合は、グラフにするとほとんど見えくらい本当にごくわずか、ですね。

注3:数値は「平成27年度エネルギーに関する年次報告」資源エネルギー庁

 

 

なお、平成26(2014)年は原子力発電所の発電量がゼロだったことから、日本の総エネルギー自給率は、なんと過去最低の6.0%でした。

 

経済活動にも生活にも必要不可欠なエネルギーを将来どうするべきか、日本国民全員が真剣に考える必要があるといえますね。

 

次回は、いよいよ最終回。お楽しみに。

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