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コラム

- 数字は嘘をつく

2017年 第1回 統計で人を騙すには
有田 宏  ⇒プロフィール

「数字は嘘をつかない!」という言葉が有りますが、実際は数字もなかなかの曲者です。確かに数字は、言葉に比べ過ちも明確になり易いですが、数字の測定、加工、分析、判断の各段階で不適切の手法を取ると誤った結論に達することも有ります。そこでは数字は嘘をつきます。言葉を少し変えれば「数字は嘘をつかないが、数字に嘘を込めることは出来る!」でしょうか。

「統計でウソをつく法」※(注)という本が有ります。この本の表紙カバーには、イギリスの政治家ディズレイリが言った言葉として次のように載っています。

「ウソには三種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計。」

 

不適切な統計は誤った結果に

科学技術や社会の分析、さらに心理学にも統計は無くてはならない方法です。しかし、使い方を誤ると正確な情報は得られません。母集団に比べての標本の数、標本の抽出の方法。調査のやり方、数字の加工、分析の手法。そして結果からの判断。これらの手法が不適切ですと、誤った結論に達します。(表)には、データーの収集時、分析時、結果の判断から誤った結論に陥る主な原因を挙げています。

 

統計は悪用も出来る

さらに悪いことには、故意に不適切な手法を用い都合の良い結論に達するように操作されることも有ります。特定の商品の使用前と使用後の写真を並べて読者へのインパクトを高める。これもその手のゴマカシが多いように思います。

 

 

統計学で一儲け

最後に、あるドラマに出ていた統計を使った商売をあげます。統計を使った商売です。

 

出産直前の夫婦を対象に。

祈祷師「さあ、皆さん。男の子と女の子、どちらが望みですか。男の子のお札、女の子のお札、どちらかを買えば、その通りのお子様が生まれます。お札は1枚1万円。さあ、今のうちです。」

客「本当に、間違いなくそのとおりの子供が生まれるんですか?」

祈祷師「間違いありません。しかし、神様も時々気まぐれのところもありますので、万が一、ちがうお子様が生まれた場合、頂いた1万円にお詫びとして5千円を付けてお返しします。」

 

もし100組の夫婦にこの1万円のお札を売れば、100万の売り上げから50組程度考えられる外れた夫婦へのお詫び料を含めた返金75万円程度を差し引いた、25万円が利益となります。

 

しかも、当たった夫婦は、望みの性別の子供が生まれたので満足するでしょう。

一方、外れた夫婦は1万円が1万5千円になって戻ってきたので、それほどの不満は生じないのでしょう。

これこそ、お札を売った者、当たった夫婦、残念ながら外れた夫婦、それぞれが満足するウインウインの関係?になります。

 

これから5回にわたり、数字のゴマカシや誤解を招く表現について説明していきます。

まず、統計調査に当たり、調査の手法、標本の選び方。そして分析面での因果関係の捉え方、平均の考え方、そして変化率の考え方について、極力、具体的な例を交えながら説明していきたいと思います。

 

 

※(注)「統計でウソをつく法」(ダレル・ハフ著、高木秀玄訳、講談社ブルーバックス)

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