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コラム

- 一番やさしい年金のはなし

2017年 第2回 パートとしての働き方と年金
菅野 美和子  ⇒プロフィール

2016年10月から大企業で働くパートタイマーに対する健康保険・厚生年金の加入が拡大されました。2017年4月からは、事業主とそこで働く人の2分の1以上の同意が得られれば中小企業で働くパートタイマーも加入となります。パートタイマーの加入の範囲が拡大され、「106万円の壁」ができたと言われています。健康保険や厚生年金の加入をめぐって、106万円、130万円といった壁がありますが、その内容にやさしく迫ります。

◆106万円の壁とは? 

法律の改正により、2016年10月から、週に20時間以上、月額8.8万円以上、1年以上雇用される見込みのパートタイマーも社会保険加入の対象となりました。ただし、制度がスタート時は、社会保険に加入している人が501人以上の大企業のみが対象とされました。

 

月額8.8万円を年換算したら年額106万円になるので、この収入に合わせて仕事を制限する人が多いことから「106万円の壁」と言われています。

 

条件に該当する人は、社会保険に加入しなければなりません。「パートの収入は130万円未満。夫の扶養になりたい」という理由で加入を拒否できません。

130万円未満という扶養の範囲内で働いていても、勤め先で条件を満たせば加入しなければならないのです。

 

扶養のままがいい、加入したくないという人は、週に20時間未満の契約に変更するしかありません。

 

現在は週に20時間以上であっても月額8.8万円までにおさまっている人は加入となりませんが、今後は時給が上がり月額8.8万円を超えるようになれば、加入しなければなりません。それが嫌なら時給も上げられないことになります。

月額8.8万円とは、通勤手当や時間外手当は計算にいれませんので、実際に受け取る給料とは異なります。

 

加入したくない理由は、社会保険料を負担することによる手取りの減少でしょう。手取りの減少を抑えるために働き方を制限すれば、実質的に手取りは減ってしまいます。

厚生年金に加入することで将来の年金額は増えますが、未来の年金よりも現在の手取りと考えてしまうのでしょう。

 

◆130万円の壁とは? 

130万円とは、夫の社会保険上の扶養(健康保険の扶養家族、国民年金の第3号被保険者)になれるかどうかという基準です。130万円に合わせて収入制限することが多いので「130万円の壁」と言われています。

 

ここでいう収入とは、勤務先から受け取る給料すべてが対象となります。非課税の通勤手当も収入のうちです。

130万円とは、いつからいつまでの収入なのでしょうか。

 

130万円を超えそうになって、年末にあわてて収入調整をしている人がいますが、130万円は、1月から12月までの年間収入ではありません。

130万円以上の見込みが生じたときから1年間です。働き始めたとか、給料が上がったなど、今後1年間で130万円を超える見込みとなったときに、その時点で扶養をはずれます。

 

年末12月になって、その月だけ調整しても、健康保険の扶養家族や国民年金の第3号被保険者を取り消されることがあるので、注意が必要です。

 

扶養の範囲内を希望するのであれば、毎月の給料が108,000円以下になるように働き方を調整します。

130万円を超えて扶養からはずれると、勤め先で社会保険に加入できなければ、国民健康保険・国民年金に加入し、自分で保険料を負担します。130万円とは、勤め先で社会保険に加入する基準でありません。あくまでも扶養家族からはずれる基準です。

 

106万円の壁、130万円の壁と働き方については、誤解が多いところです。

 

◆壁を超えるか、超えないか

健康保険の扶養家族は保険料を負担せずに健康保険を利用できます。国民年金の第3号被保険者は、保険料を負担しない上に、納付した場合と同じだけの年金が受け取れるのですから、これらの制度を利用したいという思いは当然でしょう。

 

しかし、扶養の範囲内で働き、社会保険に加入したくないとすれば、収入を制限することになります。枠の中でしか働けず、収入は増えません。

 

家庭の事情などで一定以上働けない場合や働きたくない場合は、扶養の範囲内で制限も有効です。そのときは、扶養の範囲内におさまるようにしっかり調整してください。そのためには正しい知識が必要です。

 

しかし、条件的に問題ないのであれば、社会保険加入を嫌わずに働くのも方法です。

厚生年金に加入するメリットは、将来の年金額を増やせること。

年金だけをたよりにする老後を迎えたとき、年金額は少しでも多いほうがいいはずです。収入を増やし、年金額を増やすことは、未来への蓄えを増やすことになると考えてみてもよいのではないでしょうか。

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