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- 数字は嘘をつく

2017年 第3回 無作為抽出は難しい
有田 宏  ⇒プロフィール

アンケートを取る場合、極力偏りを少なくするために無作為抽出という手法がとられています。しかし人が相手である場合、無作為抽出をもってしても全く偏りをゼロにするのは困難です。例として質問に答えてくれる人と、無視する人。そこには一定の偏りがあることが考えられます。

1.新橋のサラリーマン100

 

サラリーマンのアンケートを取るのに、新橋が登場します。「新橋のサラリーマン100人に聞きました。」

なぜ新橋なのか?確かに新橋は丸の内や霞ヶ関にも近い一方、小規模なビルも立地し、大企業から中小企業、公務員、多様なサラリーマンが利用しているような気がします。そうは言っても、営業や事務職などのいわゆるホワイトカラーに限定されていますが。

つぎに、100人という人数ですが、それは全体のサラリーマンをどれほど代表しているものなのでしょうか。

 

2.100という数字は果たして全体を代表しているのか?

 

ここに多くの赤玉と白玉があるとします。そこから目を閉じながら一つ取り出し赤か白かを記録し元に戻します。それを100回繰り返したとしたら、赤と白の割合から全体の割合を推定することが出来ます。

もし、赤玉と白玉の割合が同数なら100回取り出した試験を多くの回数行った結果の分布図は次のようなグラフになります。例えば、赤玉と白玉がちょうど50個となる確率は約8%となります。

 

 

 

全体の赤玉と白玉の数が同数なら、約95%の確率で取り出した赤玉は40個~60個の範囲に収まります。赤玉が40個未満になる確率は2%強にしかなりません。もし赤玉が100個のうちの10個未満なら、たまたま運悪く(?)大半白玉をひいていしまったという可能性も有りますが、そのような確率は小数点の下に0が10個以上も連なる非常に極小のものです。むしろ、もともとの赤玉と白玉の数が均等ではない、と考えたほうが良さそうでしょう。

逆に全体の割合が不明でも、取り出した赤玉が55個だとしたら、全体の赤玉の割合は95%の確率で45%~65%の範囲に収まるとも推定できます。もし、推定の幅を狭めたければ、取り出す個数を200個、300個と増やすこともできます。

 

3.人が相手の場合の難しさ

 

今までの例は、あくまでも目を閉じながら、赤玉、白玉も同じ条件で選んだ場合です。もし、赤玉と白玉の重さが僅かでも違っていたら分布に偏りが出て、この通りには行かないかもしれません。

人を対象としたアンケートではこのような偏りを排除するために、無作為抽出と言った手法が用いられます。

電話アンケートでは、例えば2222などのような番号では、覚えやすい電話番号ということで事業者用の番号に当たる可能性が有ります。そこで電話番号も乱数を使って、規則性を排除した番号にかけるといった方法が多く取られています。

それでも、今は若い人を中心に、携帯のみで固定電話の契約が無い人も多くいます。それでは回答者の年齢で偏りが出ます。そこで、携帯も対象にしている場合が多いようですがはたして?

そもそも、アンケートに真面目に答える人と、そのまま切る人との偏りは?答える人は真面目な人、暇な人?切る人は仕事で忙しい、面倒くさがり屋?そこでも回答者の属性に偏りが出てきそうですね。

 

4.排除が困難な偏り

 

この様に、人を相手に回答を得る場合、偏りの無いアンケートを取るということは至難の業です。全員を対象にしたアンケート、例えば大学の卒業生の年収など。仮に、あくまでも仮に、正直に年収を答えてくれたとしても、卒業生の中には所在不明で回答を得られない人もいるでしょう。所在が確定している卒業生と不明の卒業生、そこには偏りがないのでしょうか?

夜の新橋でのサラリーマンへのアンケート。サラリーマンの属性として新橋が標準的であったとしても、東京都心部に勤めているサラリーマンにほぼ限定されます。それだけではなく、夜の時間帯に新橋にたむろしている、それだけで、偏りが有りそうです。少なくとも、飲兵衛の割合が高いような気がします。

 

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マイアドバイザー運営者 株式会社優益FPオフィス 佐藤益弘
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