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2012年 第7回 お金の殖やし方、守り方(3) 基本的な金融商品を学ぼう!
樗木 裕伸  ⇒プロフィール

前回、金融商品の基本である預金、債券、株式を学びました。今回は、個人投資家の間で投資残高が増加している投資信託、現物投資である不動産についてその性質・特徴を解説します。

・投資信託

 

投資信託は、預金、債券、株式のような本源的な金融商品ではなく、投資の仕組みと理解してもらった方がわかりいいと思います。

 

お客様との接点を多く持ち顧客管理のプロである販売会社(証券会社、銀行等)が、小口の資金を多数の投資家から集めて、大きな資金(ファンド)にし、運用のプロ(ファンドマネージャー)が何に投資するかを決定し、資金管理の専門機関(信託銀行)がお金の管理を行うという仕組みです。

 

図にすると以下のようになります。

 

 

投資信託は、上図のようなお金を集める仕組みですから、商品の特性は、集めたお金を何で運用するのか、ということで決まってきます。

債券で運用すれば、債券と同様の値動きをします(公社債投資信託)。また、株式で運用すれば、株式と同様の性質を帯びます(株式投資信託)。

 

また、次に説明します不動産に投資した投資信託(不動産投資信託)も不動産売買相場やその賃貸相場の影響を受けた値動きとなります。

 

これら債券、株式、不動産などのことを収益を生み出す根源的資産ということで原資産と呼ぶことがありますが、投資信託の特徴・性質は、その資金でどのような原資産購入しているかで判断することになります。

 

原資産へ直接投資する場合と異なるのは、購入する際(販売手数料)だけではなく、保有期間も委託会社(運用のプロ)に信託報酬という手数料を払い続けなくてはならない点です。

 

資産残高に対して年間0.5%~1.5%程度かかります。そう聞くと少額なようですが、長期間運用すると結構な金額となります。

この手数料は運用成績のプラス・マイナスに関係なく、毎日の資産残高に対して日割り計算で差し引かれますので、相場全体が下がっているときには、よりマイナスが顕著になります。

プロのノウハウを借りることは、タダではないにしても割高な手数料になっていないか、運用成績との比較チェックが必要です。

 

なお、お金の動きは、株式と同じような下図のイメージとなります。

 

 

 

 

・不動産

 

不動産は、保有する目的は大きく2つあります。1つは、自分が利用(居住)するために購入。もう一つは、他人に利用させて賃料をもらうこと(投資)を目的とした購入です。

 

居住用の購入は、自分の収入では保有できないほどの物件を借り入れで購入しない限り大きな問題はありません。非常に高い物件であっても本人にそれ以上の満足度があるのであれば、購入成功だからです。そのあたりは何にお金をかけるかというご本人の価値観ですから成功・失敗もないと言えます。

 

 

一方、投資物件に関しては、厳格に管理が必要です。

金融資産に比べて現物投資ですので、修繕費用など様々な経費が掛かります。また固定資産税や都市計画税などの税金も毎年かかります。さらに現物を保有することで火災や台風地震などの天災などのリスクもあります(保険に購入すると費用として顕在化します)。

そして建物は毎年劣化していきます。将来建物を新築で立て直す資金も賃料から少しずつ積み立てていかなくてはなりません(投資元本の回収)。

 

 

これらの費用は、すべて賃料に上乗せしなくてはなりません。ところが賃料が高くなり過ぎると当然、空室が増えて賃料が入ってこなくなります。

借りる側から見たときには、相場賃料なりの価値が感じられ、それでいて投資家側は、土地建物はできる限りコストを抑えて安く購入・運用しなくてはなりません。

ですから、通常、賃貸物件と分譲物件では見えないところのコストのかけ具合は大きく異なります。

 

自宅として購入した物件をいざとなったら賃貸してもいいかな?という意見をお客様から聞くことがありますが、あまりお奨めできません。マイホーム物件は、価値観優先で高コストになっているケースが多い反面、賃料の上乗せ可能なぐらいの付加価値として評価されることが少なく、低利回り物件になるケースが散見されます。

 

なお、お金の動きは、下図のようなイメージとなります。

 

不動産は、いったん投資すると資金化されるまでに時間がかかります(流動性が低い)。売却すると現金化されますが、取引コストが大きく、撤退の意思決定以外では現実的ではありません。

 

また収入(賃料収入)面では、短期的には近隣との価格競争がある点で不安定かつ長期的にその地域の発展・衰退の影響を受けるため未知数といった不確定要素があります。

加えて支出(経費)面も不確定要素が多く、収益面については計画値を上振れすることよりも下振れする可能性が大きくなります。

 

安全性については、金融資産と異なり、現物資産なので、安全性は高かったと言えます。

ところが、昨今の震災などで現物資産を保有するリスクという面も無視できなくなっており、現物資産が故の安全性への不安も語られるようになってきていますので、今後は投資物件の保有は綿密な調査・計画が大切です。

 

まとめ

 

今回は、「投資信託」「不動産」を見てきました。収益性(リターン)と安全性(リスク)・流動性の関係を図にまとめると下図のようになります。

 

 

 

 

 

 

次回は、今回の基本的な金融商品の理解を踏まえて、海外金融投資やデリバティブなどについて基本的な考え方を解説したいと思います。

 

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