おひとりさまのリスクあれこれ【2012年 第1回】

【2012年 第1回 おひとりさまのリスクあれこれ】おひとりさまの保険年金

マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス

日本では、未婚率の増加、離婚率の増加、平均寿命の上昇など、単身者世帯の急増が問題となっています。総務省から発表された国勢調査の抽出速報結果によると、一人暮らしの世帯の数は1588万5000世帯となり、初めて3割を超えました。全世帯は5092万8000世帯。1世帯当たりの人数は、過去最少の2.46人。世帯が増える一方で、世帯当たりの人数は減少が続いているのです。誰もが、いつかはおひとりさまにならざるを得ない時代。ところが、その「おひとりさま」の状況は人それぞれなのです。

おひとりさまあれこれ

おひとりさまと言えば、最近元気なアラフォー女性が思い浮かぶかもしれませんが、

以外に見逃せないのが男性の「おひとりさま」です。

先述の国勢調査によると、配偶者がいる男性の割合は60代後半でピークとなり、

それ以上の年齢層では、配偶者と「死別した」おひとりさまが増加しています。

一方、50代以下の世代では、非婚率と離婚率の増加から、男性が配偶者をもつことが少なくなっています。

離婚する方は多くなっていますが、離婚した後の「おひとりさま」であっても、

男性と女性では、その状況は全く異なります。

女のおひとりさまはパラダイス!?

意外にリッチなのは、実家から会社勤めをしている女性会社員でしょう。

年金相談をしていても、50代で年金相談に来られる方で、

ずっと独身の方は、意外に堅実に貯蓄をし、マンションを自分用に購入したりと、

これなら老後も安心だという方が多いものです。

これは、ある一定の年齢に達した時に、結婚することのない自分の人生設計をしっかりたてているからでしょう。

次に、配偶者と死別したおひとりさまについても、かなり、人生をエンジョイしている方が多いのが特徴です。

 

夫婦そろって自営業の場合は、夫が亡くなってしまうと、事業も廃業し、年金も少ないということで、収入の道が閉ざされてしまうこともあるので、

一概には言えませんが、会社員の夫が先に亡くなってしまった場合には、住宅ローンが完済され、退職金や遺族年金もまとまった金額になりますので、生活自体は、かなり楽と言えるでしょう。 

配偶者死別の女のおひとりさまの注意すべきポイント

配偶者と死別したおひとりさまに、注意していただきたい点を挙げておきましょう。

先日、ある高齢者施設を見学に行きました。

いくつかの施設を見学したことのある私でも、かなりポイントの高い施設だったのですが、広報担当者のある言葉が印象に残っています。

「女の方がひとりで来られて、気に入って頂けたとしても、次に、息子さんがこられて、

こんな高いところに入らなくても、一緒に住もうよと、結局契約には至りません。

ある程度の地位のある旦那さんがいらっしゃった女の方は、ご自分で決定することに

慣れていらっしゃらないので死別した配偶者からある程度の財産を遺されたとしても、

それを「自分で」使うことができなければ、リスクはかなり高まります。

2世帯を建てた後に、やっぱり、ひとりで住みたくなったとしても、その時にはお金が残っていない可能性もあるのですから。

男のおひとりさまはリスク満載

男性のおひとりさまは、かなり深刻です。

収入が高く、一生高い地位にいることができれば、かなりのリスクはお金で解決できるのですが、

正社員になれず、派遣社員や有期契約社員を転々と続けていれば、貯蓄もあまりできません。

自分の病気、親の介護、住む場所、身元保証人、年金など不安要素は数え上げるときりがありません。

男の方は、結婚したことがあっても、離婚死別しておひとりさまになれば、ずっとひとりでいたおひとりさまとはリスクは変わりません。

離婚すると、子供の親権を妻に渡してしまっている場合も多いですから、

面倒を見てもらっていない父親の老後を見ようとする訳はありません。

実際、離婚後30年音信不通の父親の死亡を子どもに知らせたことがありますが、お葬式どころか、遺骨も放りっぱなしにされています。

このように、おひとりさまには、いろんなパターンがありますが、

「自分で」全てのリスクを背負わなくてはならないので、色々な根回しが必要です。

これからの1年間で、自分らしく生きていく知識を蓄える、そんなお手伝いができればいいなと思っています。

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