事故や病気の備えは?【2012年 第2回】

【2012年 第2回 事故や病気の備えは?】私が一家の大黒柱?(家族の大黒柱~旦那さんに先立たれた
方のための「ライフプラン&リスクマネージメント」)

西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒プロフィール

突然の訃報には誰もが落ち着いてはいられないもの。少し時間がたったら、忘れていたことはないか確認してみましょう。書類に関しては少し複雑な話もあります。

万一の事が起こってしまったら

前回は「死別」ということでその確率的な数字を見ました。事故や病気の種類は年齢によってそれぞれ特徴がありましたね。

交通事故、不慮の事故、この場合はたいがい救急車で病院へ・・・ということになります。職場で倒れた、自宅で急に、など事故以外の急病の場合も同様に、救急車で病院搬送。

急病で自宅からの場合、取るものも取りあえず救急車に同乗して病院に向かう、その後付き添いの方は入院に備えて自宅に必要なものを取りに帰る、ということがあります。夜中に起こった場合、自宅へ帰るのが通勤時間帯、なのに私パジャマのまま?(私はさらに裸足、なんて経験あり)一応付添者も羽織るものや靴、お財布は、保険証、病人の処方薬と一緒に持参して同乗しましょうね。そんな心の余裕はないかもしれませんが。

書類の保管は厳重に

病院で亡くなられると、お医者様が書類の手続きをしてくださいます。「これは大事な書類ですからね。」と看護師さんが声をかけて手渡される場合もありますね。

この書類、A3用紙で半分が死亡届、残りが死亡診断書という様式になります。市町村の窓口へ死亡届を出すことによって、火葬許可書、埋葬許可書が発行され、次のステップへと移ることができますので、紛失などないようにしなければなりません。

最近は葬儀を依頼すると業者の方が手続き全般代行してくださいます。死亡届・死亡診断書は原本を役所に届けますが、手元用にコピーを取ってくださるのが一般的。けれど人任せになると、これが何でいつ必要になるのかわからなくなりがち。後々必要となります、どうぞ失くさないように。

私の場合、お寺に提出しなければならない「埋葬許可証」、ちゃんと重要書類としてファイルに入れていたのですが、「ないと納骨できませんよ」のお坊さんの一言に、頭の中が真っ白。書類がいっぱいあったという記憶だけで、書類の名称までは覚えていませんでしたので、紛失したのではないか、納骨できないのではないかと、発見するまでものすごく心臓バクバクでしたもの。

かかりつけのお医者様は重要

ご高齢の方であれば、ご自宅で眠るように大往生、例えば「朝いつまでも起きてこないので部屋に行くと・・・」という場合もありますね。ご高齢の方は介護保険との関わりもあり、かかりつけのお医者様がいらっしゃいます。この場合、上記の書類に関しては、ずっと診察をなさっていたお医者様が頼りになります。

けれど、元気で持病もなかったので全然お医者様と縁がない、、、という場合、脅すわけではありませんが、ちょっと手続きが複雑です。


必ず犯罪になっちゃうTVのサスペンス番組ではありませんので、発行していただけるまでに時間がかかる、なじみのない方々に話を聞かれるので緊張する、、、ことになります。初めてのことで混乱していらっしゃるでしょうから、どうぞ心を強くもたれてくださいね。

忘れている保険加入はありませんか?

上記の死亡診断書、「複数枚をコピーして手元に置く」というのは、保険金の請求にそのコピーを添付する場合もあるからです。なんだかすぐに保険金請求の話に行くのは「お金にガツガツしている」みたいに思われるかもしれませんが、事故や病気で入院、葬儀とそれに続く法事、残された家族にはたくさんやることがあり、それぞれお金の出入りが伴います。たくさんあって困るものではありませんよね。

CMで「○日目に振り込まれた」などという言葉を聞くこともあります。特段問題がなければ5日後くらいには振り込まれるのが一般的です。早く取り掛かれば書類の不備への対応も余裕をもってこなすことができます。お葬式の費用を現金で支払う、などという時の強い味方になりますよね。

急なことなので、どんな保険に入っていたか知らない、わからない、、、で、あとで気が付いたという場合もあります。一般的に保険金の請求は5年以内に、といわれています。それ以降は時効により権利消滅、などとHPに書かれていますので、落ち着かれたらぜひ確認を。

保険は死亡されたご主人が被保険者で保険金額がウン千万円、ということばかり思い浮かびますが、普段意識しない特約などもありますので、気をつけましょう。たとえばお子さんの医療保険、大学生のお子さんが生協から加入した共済保険など。小さい文字で「扶養者(親ごさん)の死亡の場合10万円」などと多額ではありませんが支給対象となる場合があります。

終わりに

以上、すぐにでも必要な書類について考えられることを挙げてみましたが、核家族化が進行するいまどきでは、人の死、そしてそれに伴う諸行事については、なかなか自分が中心で切り盛りする経験は少ないものです。準備万端の人なんていないと思いますが、各種保険の確認は定期的に行うのが大事ではありますね。

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