住むところは大丈夫?【2012年 第4回】

【2012年 第4回 住むところは大丈夫?】私が一家の大黒柱?(家族の大黒柱~旦那さんに先立たれた
方のための「ライフプラン&リスクマネージメント」)

西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒プロフィール

あわただしい日々の中でも、先のことを考えなければいけないでしょう。まずは衣食住のうち、住の部分はどうなっていらっしゃいますか。

まずはマイホームでしょうか

さあ、初七日も終わり、とか四十九日が終わり、などと節目の日が来た時のことを考えてみましょう。もう肩のこる親戚の方や業者の方もお帰りになったので、ごろんと横になることも自由・・・ああ、やっと手足が伸ばせた。ところでその手足が伸ばせたご自宅は、どんな具合?

社宅であった場合、そろそろ退去のご依頼が届いているかもしれません。会社の持つ物件であれ、借り上げ社宅であれ、いずれは転居しなければなりません。お引越しの場合、地域によりますが前家賃、不動産業者への手数料、敷金等、それにお引越費用等、家賃の5~6か月分は費用が発生するのが一般的。

新居のロケーションは万全ですか

奥様のお仕事、お子様がいらっしゃるのなら学校の都合、いろいろな条件を考えなおかつこれから発生する、たぶん社宅よりは負担が大きくなるであろう家賃負担、たくさんのことを考慮して新居を決定しなければなりませんね。

それでもデフレの影響か、お家賃は以前を知るものからはかなりお得な物件が出回っています。また、URでは敷金分割OKのCMが流れていました。公営住宅もHPから検索が可能。母子家庭で一定以下の収入とかの条件によっては、優先的に割安なお家賃の公営住宅に入居ができる場合もあります。昔のように遠くのお役所まで入居者募集の資料を請求に行かなければ・・・ということも減りましたね。その意味では良い時代になったのかもしれません。

ただし意外と忘れがちですが、もし新たに墓地をお求めになる場合、命日、お彼岸、色々な機会にお出かけになると思いますが、墓地までの交通の便はいかがでしょう?地方では車で出かけるので大丈夫、、、かもしれませんが、そうでなければ公共の交通機関で簡単に出かけられるところでしょうか?新設で収容に余裕のある霊園などはかなりの郊外で、園の中も長距離を歩く必要があったりします。

縁遠くならないように、新居、そして墓地・霊園の位置は、実際に所要時間や費用も考慮して決めた方が良いと思えます。賃貸物件でもちょくちょくお引越しは困難なうえに、お墓のお引越しは、新たに墓地を求める以上に費用も手間もかかります。

マイホームの場合は団信に加入してました?

現在では情報がいきわたっていますので、住宅ローンを組まれていた方はほとんどが団体信用生命保険(団信)に加入されていらっしゃるはず。この場合、旦那様が亡くなればローンの残額はゼロとなっているはずです。

でも、ローンの残額がゼロだからといって、油断は禁物です。マンションであれば毎月の管理費や修繕積立金、それに固定資産税や火災保険等、負担が全くのゼロになるわけではありません。資金計画を万全のものにしておきましょう。

一戸建ての場合、マンションのように管理組合の下でほぼ強制的にメンテナンスが入る、というわけではなく、任意で修繕を行うわけですが、屋根、外壁、照明、それに気を配るのなら畳や壁紙、色々と手を入れなければならない個所が出てくるのは想像できると思います。程度にもよりますが、一度に30万円とか50万円とか、お値段が張るお手入れもあります。一説には30年の間に200万円~600万円を必要とするのでは?という声もリフォーム業者さんから出ています。これも最近新聞のチラシによく入っていますよね。今から情報収集しておくのも良いかも知れません。

いつかはマイホームの名義替えをしなければ

マイホームのローンの残額がゼロになった、メンテナンス費用も準備できた、それでお終い、とも言えません。ご主人が契約して返済にあたっていた物件であれば、当然名義はご主人のもの。ここからは相続になりますが、受け継ぐ人の名義に変更する必要が出てきます。

「主人から私に変更するのに、何の不都合が?」と思われるかもしれませんが、相続ではご家族の構成いかんで意外な手間がかかる場合があります。いつまでに名義変更しなければ法律上罰せられるというものではありませんが、早いほうが手間がかからないことが一般的です。

それではその詳細は次回、来月、という事に致しましょう。

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