【2012年 第5回 財産ってどうよ?】私が一家の大黒柱?(家族の大黒柱~旦那さんに先立たれた
方のための「ライフプラン&リスクマネージメント」)
西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒プロフィール
日々を過ごすマイホーム、そしてそれ以外の財産についても、色々と手続きが必要となります。手落ちのないようにしなければいけませんね。
まずはマイホームの名義変更の基礎知識
前回からの続き、不動産の名義変更を実行する所からですね。今回の手続きは売買や贈与ではなく、相続が理由になります。
「私の名前に変えて下さ~い。」と司法書士事務所を訪問すると、「遺産分割協議書」というイカめしい書類を作らなければならない、と説明を受ける事だと思います。
第三者から購入したり贈与されたり、というのと違い「相続による取得」なので遺産分割協議書が必要になります。遺言書があれば必要ないのですが、そこまで手回し良く遺言書添付可能、、、という方も少ないのではないでしょうか?
テレビでは意地の悪い脇役が登場!?
書式に決まりはないのですが、この遺産分割協議書、作成時に署名・捺印(実印で印鑑証明が必要)・住民票添付が必要とされる方々の範囲が、法律で決まってます。優先順位も決まっており、以下の表は良く資格試験の教科書にも登場しますね。
という事ですので、ご主人がお亡くなりになった時、お子様がいらっしゃらなくてご主人のご両親が既に他界されている、という場合はもしいらっしゃれば、ご主人のご兄弟が相続においては権利を持つ、という事です。
ですから正式な書類にはこの方々の記入がどうしても必要とされます。この中にお亡くなりになっている方がいらっしゃる場合は、お子様がその権利を継承する=代襲相続、という事にもなります。
「えぇ~???この10年会った事もないのに!」とか「お葬式の時(お金は出さないのに)口出しばかりして閉口したわ~!」などという事はありませんよね。ドラマではここでドロドロの争いが始まっちゃうのが王道。
早くやっとかないと「登場人物多すぎ!なドラマ」風の展開に
ドロドロはなくても事情があって放ったらかし、で時間ばかり過ぎて行った場合、当然関係者の数は増える一方です。書類は全員の署名・捺印となりますので、普通お一人お一人の所を回覧していかなければなりません。大事な書類だから速達や書留に、、、手間も暇もかかりますね。北は北海道から南は九州・沖縄まで、稀に海外までも送付が必要な事もあるみたいですから。
最低限の気配りはお忘れなく
また、これも稀かもしれませんが、ご主人に、前妻との間に子供さんが、という場合もあるでしょう。この場合も子供さん方は相続の権利を持つ事になります。
やっかいな事に法律上「遺留分」というものが存在します。「当然の権利を持つ人が理不尽に相続から遠ざけられないよう最低限の保護を」という意味なのですが、関係が悪化してしまった場合、これを主張されて調停、裁判などにもつれ込んでしまう事も考えられます。
マイアドバイザーの別コラムに詳しい相続の部門がありますので、法的な部分の詳細はそちらもご参照ください。ということで、ここでは違う切り口でのオハナシ。
押印してもらうのは登録された印鑑ですので、「印鑑証明」を市役所等で取る必要があります。地域によって手数料は違うらしく200円~400円の発行手数料がかかるそう。印鑑登録をしていない人は新たに登録する必要があり、こちらも200円~500円ほど別に必要。また住民票は概ね300円ほどかかります。
他にも公共の交通機関で出かけないといけない所、駐車料金が必要な所、など書類を取ってもらう場合に少額でも色々と費用や手間がかかる事がありますね。気持ちよく書類を整えていただくためには、大人の気配りも必要です。問い合わせられるのであれば費用はこちらで前もって郵便為替を準備しておくとか、お礼の気持ちで何か粗品を準備する・・・こういうひと手間が必要だとは思われませんか?
こちらの気持ちが伝わり、快く引き受けていただくためにも、事前に電話やお手紙で事情を説明してしっかりお願いしておく。更にこれらの気配りも、書類をもらった後より前の方がより理解していただけるのではないでしょうか。
マイホーム以外にも銀行や証券会社の口座等々、相続が発生すると上記の手続きを要求される事になります。一回にまとめられれば良いのですが、あとで発見、またもう一度あの手順を~という事もしばしば。そういう事に対処するためにも、まずは普段からの人間関係は重要。ちょっと行き違いがあったような場合もしっかり大人の気配りをして事に臨まれることを切に願っております。
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