【2012年 第6回 おひとり様の老後の安心のための心構えとは?介護導入編】おひとりさまの保険年金
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス
「今は元気で動けていても、10年後20年後もまだ元気とは限らないんだから。」先日、私が通っている鍼灸の先生から言われた言葉です。確かに、年々身体のメンテナンスが必要になっているのは事実ですが、ちょっと愕然としました。誰しも、最後はおひとりさま。早いうちに、老後の安心を準備しておきたいものです。
老後っていつから?いくらかかるもの?
老後を身近に意識するのは、50歳代くらいが多いでしょう。
一昔前は、年金を受け取れる2年前でないと年金の概算金額も出してもらえなかったのが、今では50歳になると、年金も試算してもらえます。
ところが年金を試算してみると、厚生年金に40年加入していても60歳から受け取れる年金だけでは、生活できないことに気づきます。
月額10万円あるかどうかも分からない年金(60歳から64歳までの間)を当てにせず、できるだけ長く働くことが、1つめの老後の安心です。
ですから、働ける間には働き、同時にセカンドライフについても元気なうちに考えておくことで、選択肢の数が増えるといえるでしょう。
公的介護保険はどこまで頼りにできるもの?
40歳以上になると、気づかないうちに医療保険と一緒に介護保険料が徴収されています。
ところが、65歳になるまでは、たとえ介護状態になったとしても、特定の老後に起因する疾患でなければ、公的介護保険に頼ることができません。
自動車事故や災害で、介護状態になったとしても、公的介護保険制度を利用して、訪問介護などのサービスを受けることはできません。
また、65歳になっていても、介護保険制度の恩恵を受けるためには、「要介護認定」をしてもらう必要があります。
この申請を自分でできるうちは介護状態と言えないでしょうから、「誰に手続きを頼めるのか」考えておくことが、二つ目の老後の安心と言えます。
施設に入る?自宅で過ごす?
平成12年に介護保険法が施行されてから、既に10年以上経過し、その間にも約3年ごとに法改正が行われてきました。
改正の内容は様々ですが、施設における居住費、食費が保険の適用外となったり、24時間常時、随時サービスを行うという流れからわかることがあります。
他人の助けを受けながらも、「できる限り自宅で過ごす」ことが、キーワードとなるのでしょう。
そうなると、今度は、急に病気になって倒れたりした場合のために、一人になって一番怖いのは、自分が動けなくなることです。
3つ目の老後の安心は、早いうちに、「施設に入るのか、ずっと自宅で過ごすのか」決めて、準備を着々と整えるということです。
介護導入編。最後の安心
公的介護保険では、福祉用具の貸与や、自宅の改修など、誰しも使える制度はありますが、基本的には、要介護度の程度によって給付の限度額が決まっており、それ以上のサービスについては、全額自己負担となります。
老後、働きたいのに働けない現状で、介護サービスの費用を貯蓄から取り崩すことになります。
公的保険に頼れない部分については、民間の公的介護保険に加入するという選択肢も考えておいたほうがいいといえます。
最後の安心の心構えは、「公的保険で賄えない部分は民間保険で補完する」です。
今回は、老後の心構えについて、4つお話ししました。
次月のコラムでは、自分で加入できる民間の保険について、具体的に、公的保険で給付されないものを補完するポイントをお話しする予定です。
平成24年からは、民間の介護保険に加入した場合の、生命保険料控除制度が創設されています。
さらに、この保険料控除の対象とはなりませんが、少額短期保険など、新しい選択肢もどんどん広がっています。
介護に自分のこだわりで備えることができるのです。
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