【2012年 第7回 民間保険で公的介護保険を補完するポイントとは?】おひとりさまの保険年金
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス
前回のコラムでは、老後の心構えと公的介護保険の保障内容についてお話ししました。民間の保険に加入する際、公的保険で給付されないものを「補完する」ことが大事です。今回は、「補完する」ポイントについてお話ししていきます。
介護保険の生命保険料控除の枠が広がった
2012年1月以降、生命保険料控除の枠が広がっています。
これまで、一般の生命保険料が5万円(住民税は3万5千円)、個人年金保険が5万円(住民税は3万5千円)で計10万円だったものが、2012年分以降の契約に関しては、上記契約がそれぞれ4万円(住民税2万8千円)、更に、介護医療保険に加入すると、4万円(住民税2万8千円)が控除できます。
(住民税の最高額は7万円のまま。)
誤解してはいけないのが、それまでの契約があった場合。
上限いっぱいの10万円分の保険に既に加入していて、更に、介護医療保険に加入したからと言って、4万上乗せして控除できるわけではありません。
民間の介護保険はどんな時に受け取れる?
民間の介護保険の契約の仕方には、主契約として介護保険を契約する方法と、他の主契約に介護の特約を付ける方法があります。
受け取り方法も、一時金、年金、一時金と年金の併用ができたり、公的介護保険の「要介護認定を受けた時」に受け取れるものや、生命保険会社独自に給付の要件が決まっているものなど、様々です。
元気なうちは、自分の介護というのはイメージしにくいだけに、多くの中から「商品を選ぶ」のは難しいかもしれません。
また、すでに加入中の終身保険の保険料の払い込みが満了になった場合、そのまま死亡保障として置いておくか、年金に移行するか、それとも介護保障に変えるという商品もあります。
この場合の介護保障が受け取れる要件としては、要介護度が重い場合も多いですので、新しい商品と変えた場合の商品がどう違うのか、はっきりと説明してもらった方がいいでしょう。
少額短期保険も選択肢の一つに入れておこう
少額短期保険は、上述の生命保険料控除の対象にはなりませんが、保障が簡単で分かりやすいものが多いといえます。
元気なうちは、受け取れるのなら、「死亡保障もいいな、医療保険もいいな、先進医療特約もつけておこう」などと、ついつい欲張りになりがちです。
ただ、人の人生がそれぞれのように、自分にとって本当に必要な介護は何かじっくりと考えておかないと、本当に困った時に役に立たたない保険となってしまいます。
ある少額短期保険会社A社の、介護保険を1例としてあげておきましょう。
ポイントは、3つです。
①公的な介護保険にプラスする補償であること。
②要介護認定を受けた状態でも加入できること。
③調理サービス等生活の支援も受けられること。
老後のおひとり様を想定して、調理サービスを受けながら、自宅でできるだけ過ごしたいという希望があれば、少額短期保険を選択肢の一つに入れることも考えられるのです。
「介護保険」を請求する際には、自分が認知症になったり、身体が不自由になっていることも想定して、手続きの簡単さ、もしくは何のためにという目的を普通の保険よりも、より明確にして加入することが求められるでしょう。
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