【2012年 第7回 お金を借りる】高校生のためのパーソナルファイナンス入門
長谷 剛史(ハセ タケシ)⇒プロフィール
前回は「お金の増やし方」というタイトルで、代表的な金融商品の特徴やリスク等をお伝えしました。今回は、「お金を借りる」について一緒に勉強しましょう。
お金を借りる
高校に比べ大学の入学金や授業料が高いことは知っていると思います。進学したいけれども、家にあまりお金がない・貯金が貯まるまで待っている時間がないという場合、どうすればいいんでしょう?
このような場合、進学を諦めるのではなくお金を借りるという選択肢があります。例えば、銀行が扱っている「教育ローン」や、日本学生支援機構等が扱っている「奨学金」を利用することができます。
皆さんにはまだ早いですが、将来家が欲しいと思った場合も「住宅ローン」を利用し、お金を借りることによって欲しい家を手に入れることができます。
お金を借りて希望を叶えることができますので、便利には違いありません。しかし、お金を借りるということは、将来、お金を返さないといけないということです。最近は、奨学金を利用しても返すことができない人が増加しています。
また、お金を借りると利息を支払う必要があります。例えば、100万円借りたとしても返す額は100万円+利息となり、借りた金額以上のお金を返すことになります。ですので、お金を借りるのはいいですが、返せるのかどうかという視点が大切ですね。
なぜお金を借りることができるのか?
それでは次に、なぜお金を借りることができるのか?考えてみましょう。
例えば、皆さんが1万円をAさんかBさんのどちらかにお金を貸す場合、どのように判断して選びますか?家の大きさ?お小遣いの多さ?性格?・・・一言にまとめると「信用」になりますね。
つまり、「信用」は、貸したお金を返してくれる人なのかどうか?という判断基準になります。銀行も同じで、貸すのはいいけれどもちゃんと返してくれるのかどうか?を見極めています。収入・貯金がなくお金にルーズな人は、銀行からお金を借りるのは難しいでしょう。
さらに、信用できそうな人でも口約束だったらどうでしょう?絶対にお金を返してくれるという保証がないので、この約束を強制的に守らせる法律上の裏付け「契約」をすることになります。
約束の内容を文字にしたのが「契約書」で、一般的にはお金を借りた人・貸した人が署名してハンコを押すことになります。契約しておけば、万が一お金を返してもらえなかった場合は、裁判所に訴えたり・強制的に財産を没収できたりします。
利息について
最後に少し利息についてみてみましょう。利息と金利の違いを確認するため、利息の計算式を見てみると、「利息=借りた金額×金利×借入期間」になります。
例えば、1万円を金利1%で1年間お金を借りた場合は、100円の利息を支払うということになります。この計算式をよ~く見ると、金利が高いと利息が増え・金利が低いと利息が少なくなるというのがわかりますね。
金利が決まる要因は色々ありますが、1つ上げるとすれば、お金を借りる人の「信用」です。高い信用があれば、返してもらえないリスクは低いので金利は低くなります。逆に、信用が低いと、万が一返してもらえないリスクを考えて金利は高くなります。
次回は、「カードのメリット・デメリット」を見ていきますので、楽しみにお待ちください。
○ 今月のお金に関することわざ
「金の貸し借り不和の基」⇒ お金の貸し借りが人間関係のトラブルの始まり。
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