【2012年 第8回 おひとり様ならぜひとも知っておきたい介護保険の使い方】おひとりさまの保険年金
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス
2012年7月、「介護ロボが公的介護保険の適用対象になる」という発表がされました。今や力仕事だけではないロボットの使い道。自分の老後生活に組み込んでおきましょう。
自分の老後を自宅で過ごす?
2012年4月に行われた介護保険の改正では、常時随時の介護を24時間受けながら老後を過ごすというビジョンが明確になっています。
すると、まずしておきたいのは自宅のリフォーム。
介護保険では、上限20万円のリフォームをすることができるのです。(自己負担は1割ありますが)
ただ、自分勝手に好きな業者に頼んでも、介護保険の適用はされません。
段差をなくすものや水回りなど、身体が不自由になっても自宅で過ごせるよう、様々なリフォームが対象です。
細かい要件がありますので、どんなリフォームなら対象になるのか、事前に確認しておきましょう。
公的介護保険で、できることできないこと
2015年には、ロボットが保険適用できるという前提で考えて行きましょう。
現在利用されている介護ロボットの利用方法は3つです。
身体が不自由になった場合に介添えをしてもらえたり、介助をしてもらえるロボット、次に、身体の機能を補う義肢のようなロボット、最後にコミュニケーションをとってくれるペットのようなロボットです。
これらすべてが保険適用となることはちょっと考えられませんが、
現状で介護士達がしている業務については、そのまま適用となることが予想されます。
そうすると、公的介護保険でカバーできない「できないこと」で一番心配なのはコミュニケーションと言えそうです。
コミュニケーション能力がないと困ること
「コミュニケーションなんかなくても大丈夫」
という方もいるでしょうが、困ったことが起きてくるのです。
実際にあった話です。
公的介護保険の介護の給付を受けるためには介護認定を受けなければなりません。
介護認定を受ける時に、「あれもできるこれもできる」と意地を張ってしまった方がいました。
それまでは、要介護度1の認定をされていたのに、要支援の認定になってしまい、それまで楽しみにしていたショートステイの日数も減らされてしまったそうです。
また、おひとり様の中には、自分の年金用として、ワンルームマンションなどの投資をした方もいるかもしれませんが、貸してさえいれば、どんどん店子が入るわけではありません。
家賃の管理、不動産の管理などどうするのか、普段からコミュニケーションをとっておかなければ、頼りになる人を、急に公的介護保険で見繕うことはできません。
一人だからこそ、介護保険でできることできないことを見極め、自分以外の信頼できる人を持つということが、介護保険を使いつつ、元気に老後生活を暮らせる秘訣になってくるのではないでしょうか。
介護に携わる人が人手不足になる中、ロボットが保険適用対象になるくらい、日本の高齢化社会は待ったなしなのです。
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