【2012年 第9回 おひとりさまの年金づくり】おひとりさまの保険年金
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス
ずっと働いたからこそ得られる年金の受給権はとっても嬉しいもの。
ただ、自分だけの年金で、ちゃんと老後生活を送ることができるのか、心配はつきません。
老後に「これじゃ生活できない!?」とならないよう、早い段階で、自分の老後資金作りを意識しておきたいものですね。
老後にお金は欠かせない!けれど
私は行政書士もしているということで、最近は成年後見のセミナーやご相談、「エンディングノートの作り方」や「終活」などの講演などをさせていただく機会が増えています。
そんな中で、いろいろな方とお会いしていると、「何となく不安だけれど何が不安?」か「何かしなきゃとお金をためているけれど、何のためのお金か考えていない」などと、「不安の内容」と「お金」が結びついていない気がしています。
老後予算の計画方法は
本屋さんに行くと、「老後生活1億円」というタイトルの本など、びっくりするような金額が目につくこともありますが、老後予算で考えておきたいのは、「自分にとっての必要な金額」です。
「家はどこに住むのか?」「一人で住むのか?」
「近くに知り合いの多い方がいいのか?」
「田舎に住むのか?」「都会に住むのか?」などと、
終のすみかにかかる予算は、最初に見積もってください。
家は一番大きな経費がかかります。
最近、入居一時金などの当初の費用が抑えられる高齢者施設も増えてきていますが、ここの予算をどう見積もるかで、老後資金の計画が狂うこともあり得ます。
老後年金の作り方
次にしていただきたいのは、公的年金が「いくら出るのか」把握することです。
自分が年金の保険料を払わず、加入する年金制度を知らず、「国の年金は不安だから払わない」という言葉を口にする方がいらっしゃいます。
確かに、国の年金制度の支給開始年齢が少しずつ上がってきていることは事実ですが、長生きすればするほど、支給総額が大きくなり、しかも生きている限り受け取れる「終身」の年金は、商品としてなかなかあるものではありません。
この公的年金の支給額と自分の生活費の差額を、自分年金として準備しましょう。
その方法として、ぜひ注目しておきたいのは、「確定拠出年金」です。
急にお金が必要になった時でも、引き出せないというデメリットはありますが、「老後資金作り」という目的に照らし合わせてみれば、事業主負担分と合わせて自分も拠出して積み立てていける、理想的な商品だと言えるでしょう。
民間の介護保険商品も選択肢に入れてみては
平成24年1月以降に民間の介護保険でも、生命保険料控除ができるようになったことを受けて、
各保険会社も魅力的な商品を売り出してきています。
お金があるときに一時金で保険料を支払うと、返戻率が高くなるのはもちろんですが、積立というように、月々支払うという方法もできます。
新たにできた4万円の介護保険料控除の枠を生かして、民間の介護保険に加入し、途中で解約して施設の入所金に充てるのもよし、年金の不足分を補うのもよし、というように、介護にこだわらない使い方が出来る商品もあります。
私ごとですが、夏に祖母が亡くなりました。
この祖母は戦争未亡人ということもあり、
国から遺族に対する「恩給」と自分の働いた分の「老齢厚生年金」という、とても篤い年金額をいただいていました。
これからは、国がこれだけ厚く守ってくれるということはないでしょうが、「国の制度を利用する」と民間の商品を上手に合わせるということで、自分が自分を守っていくことが必要でしょう。
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