税金は社会参加のための会費【2012年 第9回】

【2012年 第9回 税金は社会参加のための会費】高校生のためのパーソナルファイナンス入門

長谷 剛史(ハセ タケシ)⇒プロフィール

前回は「カードのメリット・デメリット」というタイトルで、クレジットカードや多重債務についてお伝えしました。

今回は、「税金は社会参加のための会費」について一緒に勉強しましょう。

 

 

 

 

 

 

身近な税金

皆さんに身近な税金は、最近税率アップが決まった消費税かもしれませんね。買い物をしたり・レストランで食事をしたり・携帯電話代を支払ったときに消費税という税金を負担しています。

また、社会に出て会社員や公務員として勤めると、お給料から所得税と住民税が強制的に引かれることになります。会社から国や地方公共団体に納められることになりますが、実際は会社員や公務員が負担しています。

消費税や所得税・住民税以外にも相続税や自動車税・固定資産税など多種多様な税金があります。では、これらの税金はなぜ負担しないといけないのでしょうか?さらに、納めた税金はどのように使われているのでしょうか?

皆さんが社会科で勉強した日本国憲法第30条に「国民は、法律の定めるところにより納税の義務を負う」と定められています。納税の義務・教育の義務・勤労の義務を3つ合わせて国民の三大義務と呼ばれています。

人は社会の中で生活をしているわけですねから、生活をするためには道路や公園の整備・警察や消防署・図書館などの公共施設や公共サービスが必要になります。これらのことを行うために税金が使われています。つまり、税金は社会参加のための会費と言うことができます。

少し前のテレビドラマで国税庁査察官役の米倉涼子が『脱税するやつは日本の道路を歩くな』という決め台詞がありましたが、まさにその通りで税金という社会参加の会費をごまかす人は、会費で作られた道路を歩く権利はないということですね。

皆さんの教育費も税金でまかなわれている部分があります。公立学校の児童・生徒1人当たりの年間教育費の負担額(平成21年度)を見てみると、小学生848,000円・中学生979,000円・高校生913,000円となっています。

教育費以外で身近な財政支出としては、警察・消防費5兆1,399億円(国民1人当たり40,310円)、ゴミ処理費用など2兆1,038億円(国民1人当たり16,499円)、国民医療費の公費負担額13兆4,933億円(国民1人当たり105,822円)となっています。

しかし、現在はこれらの費用が全て税金でまかなわれているわけではありません。例えば国で見ると、私たちが納めた税金は国の収入の約半分に過ぎず、費用が不足する残りの約半分は将来世代の負担になる国の借金に頼っています。

私たちは、社会参加に必要な会費である税金を支払うだけではなく、その税金の仕組みや使い道を知ることが大切になります。使い道は選挙で選ばれた国会議員が審議を経て決めていきますので、政治にも興味を持ち若い世代の意見を反映させていくことも重要ですね。

次回は、「健康保険と公的年金制度」を見ていきますので、楽しみにお待ちください。

○ 今月のお金に関することわざ

  「金の切れ目が縁の切れ目」⇒ 金銭面の利益がなくなれば人付き合いも無くなるものだ。

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