【2012年 第12回 男お一人様をどう過ごす?】おひとりさまの保険年金
マイアドバイザー®事務局 株式会社優益FPオフィス
定年になるまで仕事一筋。財布のことから親戚づきあいまで妻任せにしてきたという男の方も多いのではないでしょうか。
ところが、どんなに妻が役に立っても、一生お任せにできるかどうかはわかりません。 妻に先立たれても、親の介護や相続は待った無し。
自分でできるようにいろいろなことを整理しておきましょう。
「財産一覧を作っておく」
先月は社労士や行政書士の街頭無料相談会をしたこともあり、様々な方のご相談を受ける機会がありました。
その中でも、ご紹介したいのは、男お一人様になるのには、妻との死別だけでなく、子供が巣立って、これからは妻が一人で暮らしたいという熟年離婚もあり、熟年になってからの「男おひとり様はとっても大変」というお話です。
それまで、妻に通帳を預けっぱなしにしていた方は、いざ自分に財産がいくらあるのか、これからどうするのかわからないことが多いようです。
そんな時には、財産一覧表を普段から作っておくことが役に立ちます。
「保険や年金などを整理する」
財産一覧を作ってみると、次にこれは何のお金に使うものなのか考えておきましょう。
例えば、ご夫婦の医療保険の入り方は、夫に手厚く妻は薄くというのが一般的ですが、熟年世代で一番心配なのが健康です。個別に医療保障が十分かをチェックしておきたいものです。
年金に関しても、夫婦単位でなく、それぞれでできるだけ多くなるように考えてください。
離婚の年金分割制度というものがありますが、この制度で意外に間違いが多いのは、夫の年金の半額が受け取れるという誤解です。
分割されるのは、夫と妻の厚生年金部分の50%が上限です。
つまり、妻が扶養の枠を超えて働くことで、夫婦で受け取れる年金が多くなることはもちろん、もし離婚という事態になった場合でも、夫が分割で与える割合を抑えることができます。
「終の住処は大きなポイント」
妻がいるのならともかく、自分一人で大きな自宅を管理しつつ、最後まで自宅で過ごすというのは、困難が多いものです。
ただ、高齢者施設に急遽入居すると言っても、男の方お一人で納得できる施設でなければ、大声で施設の職員や周りの入居者の方にわがままを言って困らせるということも聞いたことがあります。
自宅の管理が難しければ売却する、賃貸にする、贈与するという選択肢を早めにライフプランの選択肢の一つに組み込んでおくことが大切でしょう。
ここまで一年おひとり様のコラムを毎月お届けしてまいりました。
いつかは誰もがお一人様。
子供や兄弟がいたとしても、ずっとそばにいて老後の面倒を見てくれるというのは難しい時代になってきました。
何とかなるだろうと人任せにせず、あらかじめおひとり様になった時のために自分が納得のいく対策を立てておくことが欠かせません。
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