【2013年 第3回 田舎だって最先端】田舎暮らしを始めてみたら
西谷 由美子⇒プロフィール
原子力発電所の稼働が止まって以来、節電だ、再生可能エネルギーだ、といろいろ言われています。何か先端技術のイメージのある各種自然エネルギーですが、けっこう田舎でも、いや田舎だからこそ、最先端の取り組みがなされていることもあるんです。
メガ・ソーラー
今日は通勤途中で面白いものをみつけました。車を止めて観察したわけではないのですが、国道沿いのもともとは建設資材置き場だった所に、金属製のきらきら光る、傾斜して空に向いた棚が広場を埋めるように並んで置かれています。
「あ、メガ・ソーラー、流行ってるみたいだけど、ここにも太陽光パネルが設置されるみたい。」
すぐに思い浮かんだのも今朝の新聞で見かけたからです。「市内第一号の太陽光発電所、4月から売電へ」との記事。
2月20日、東京のエネルギー関連会社がわが故郷に建設を進めていた第一号の太陽光発電所が完成して完工式が行われました。もとは森林組合が所有していた原木市場跡地約4.9ヘクタールに縦1.26m横0.97mのパネル1万2380枚を設置し、出力1800キロワット、予想年間発電量200万キロワット時という規模のもの。市内約500世帯分の電力をまかなえる量だそうで、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制に基づき、全量を九州電力に売電の予定だそうです。
九州と言えば温泉が有名、同時に知る人ぞ知る地熱発電の先進地域。湯布院温泉の近所の八丁原地熱発電所は日本最大規模です。2つの発電機があり、それぞれ5万5千キロワットの出力で年間の発電電力量は約8億7千万キロワット時。あまりにも大きな数字で想像がつきませんが、ほぼ20万キロリットルの石油が節約できる計算、とのことです。
しかし、大分県はそれだけではありません。自然エネルギー利用への取り組みは中々なものです。阿蘇山にもつながる九州山地の森林資源を利用したウッドチップを利用したバイオマス専焼発電、つまり林業から建設廃材やら色々な木材を燃やすことで発電を行っているのです。更には日田市のバイオマス資源化センター、こちらは家庭の生ごみや養豚の糞尿、農業集落排水汚泥を集めてメタン発酵による発電、残滓は液肥・堆肥として農業に利用されています。
帰郷して戸惑った生ごみの出し方のルール、実はこれが理由で、それまでいた都会とは違ってたんです。単純に燃やしちゃう訳ではないので、しっかり水切りをする以外にも「珈琲のフィルターペーパー、卵の殻、アサリなどの貝殻」はご法度、燃えるごみに分けて出さないといけません。勿論ついうっかりとラップやらレトルトパックの切れっ端やらを混入させるのもNG。
慣れないうちはブツブツ文句を垂れてましたが、市長さんの「H18の本稼働以来、異物混入トラブルがない」という発言に触れて、私もしっかり「正しい生ごみ処理」にいそしんでおります。
更にわが故郷は山間地ですので、時々イノシシやシカ、たまには野生の猿も出没するような事件(?)もありますが、その分、低周波による健康被害が懸念されている風力発電も大丈夫みたい。九州の自治体としては第一号となる、高さ36m・直径26mのプロペラによる風力発電も導入されており、観光施設内に設置、施設の電力を賄った余剰電力は九州電力に売電されております。
エコな暮らし
いかがですか?エコな暮らしを自然豊かな田舎で・・・という夢が膨らんできてはいませんか?
そんな方には、これも山間地ならではの情報をひとつ。
「日田材プレゼント事業」というものもあります。
これは住宅の新築やリフォーム、店舗の改修時に地元の建築用木材のプレゼントです。新築は45万円分、リフォームは20万円分の木材がプレゼントされる、という太っ腹な企画。日田市木材協同組合内の顔の見える家づくり推進協議会が事業主体となっており、市内の業者の施工が条件ではありますが、「木の香りのするマイホーム」の夢を実現する一助となりますよね。
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