【 2009年 第 3 回 】Let’s Enjoy “旅”『 賢く楽しく“旅”しましょう。』 楽々旅々
合田 菜実子(ゴウダ ナミコ)⇒プロフィール
世界の美しい風景をテーマにした、『世界の車窓から』なんて番組がありますが、鉄道でボォーっとしながら外を眺めるのが、私は大好きです。
また、若い頃は、夜行列車に乗って友人と信州方面にスキーに出かけたりもしました。座席を向かい合わせにして、駅弁とお酒片手に談笑したり、トランプで盛り上がったりも楽しいですね。渋滞知らず、決まった時間で行きたいところに連れて行ってくれる!!というのも列車のメリットですね。
減りつつあるゆったり列車の旅
子どもの頃にワクワクで乗った、ブルートレイン(※1)も次々に姿を消し、新幹線の中のレストラン(※2)もなくなってしまい “列車の旅を楽しむ”、というよりも、“速さ”ばかり追求して移動にかける時間がどんどん短くなってきたのは少し寂しい気もしますね。
ちなみに・・・。
※1 九州~東京間を結ぶブルートレインで長く親しまれてきた寝台特急「富士・はやぶさ」もこの3月14日で引退になったそうです。
※2 東海道・山陽新幹線は2000年に、東北上越新幹線は2003年に廃止され新幹線の食堂車は完全になくなったようです。
では、ここからは、“鉄道の旅をお得に楽しむ方法”をいくつか紹介をしていきたいと思います。
☆ ともかく安く、のんびり車窓を楽しみたい方にお薦め
青春18きっぷ ~ 5枚つづり11,500円、1枚2,300円で1日、特別料金が要らない列車(快速・普通列車の自由席など)ならどこまででもいけます。18歳までしか利用できないと思っている方もいらっしゃるかも知れないですが、実は年齢制限はありません。ただ、設定期間が決まっているのが注意点。
私も若かりし頃、このきっぷを利用して京都から横浜まで在来線だけで出かけたことがあります。東海道本線をずんずん東へ。終点まで行っては乗り換えて…。
1日がかりで横浜に着きましたが、面白かったのは、乗客の会話。関西弁から、若干方言が混じり、岐阜あたりからだんだん関東弁に変わっていくのがとても面白かったです。
☆ 目的の観光地をぐるっと旅したい方にお薦め周遊券(いわゆる“フリーきっぷ”というもの)
意外に調べず、単純往復で買ってしまいがちなチケットですが、“フリーきっぷ”を利用すると単純往復するよりも安い価格で、いろんなところを観光することができます。
たとえば、『青森・函館フリーきっぷ』東京から青森は新幹線に乗車でき、青森、函館のフリーエリアは7日間JRやJRバスが乗り放題になっていて、お値段は東京~青森を単純往復するよりも2,640円もお得になっています。
観光施設の割引の特典などもついた、東京~箱根方面のフリーきっぷ、九州エリアならば、福岡から湯布院、長崎ハウステンボスまで自由に移動でき、観光施設の割引もついた『よくばりパスポート』なんていう、ネーミングのチケットもあります。
☆ 帰省する時等に便利なのぞみ往復チケット
こちらも、知らずに普通に買ってしまいがちな路線。のぞみを利用して1週間以内に往復するとかなりお得です。
たとえば、東京・横浜 ~ 広島市内 のチケット。新幹線で単純往復すると、18,550円×2=37,100円になりますが、お得なチケットを使うと30,000円で、7,100円もお安くなります。
購入時に座席指定、有効期間が7日間、21日から7日前までに購入、変更が出来ない、などチケットによって制約はありますが、うまく利用すれば同じ列車に乗ってもかなりの節約になりますね。
旅行するならば、出来ればリーズナブルに!ということで、お得なJRチケットをご紹介させていただきました。他にもいろいろな企画JR券があります。どこか目的を決めたら1度、みどりの窓口やネット、時刻表などで、その区間“オトク”に利用できるチケットが無いか、ぜひ確認してくださいね。
☆チケット購入方法
私は、JRの長距離路線はすべてネットで予約します。“えきねっと”というサイトに登録をしておくと、売り出し日(一般的にJRは1ヶ月前の同日9時半から売り出し)から、自分で手配が可能です。
ネット予約をすると、窓口で購入するよりも割引があり、自宅で素早く手配をすることが出来ます。JRを予約しなくては…とJRの窓口まで出向いていかれる方がいらっしゃいますが、ネットが使える環境ならば絶対便利なネット予約。売り出し前から、前もって手配予約しておくことも可能です。(繁忙期は希望の便が取れない場合があります。)
都市圏の単純往復ならば、回数券のバラ売りがお得です。通常6枚綴りなどで、売られている回数券ですがディスカウントチケット店などで1枚から購入が可能です。
宿泊とセットで旅をするときは、旅行会社のパンフレットを調べてみてくださいね。パッケージツアーのJR券は、団体用、企画用などという特別なチケットを使っていますので、ノーマルでチケットを購入するよりも原価がかなり安くなっています。(特にオフシーズンは割引率が高いです。)
ですので、お宿とJRをバラバラで購入するよりも、安くなるケースが多いです。ただ、通常のチケットと比較すると、JRの時間の変更が出来ない、解約の手数料が早くに発生するなど、デメリットもありますので注意してくださいね。
☆ 最後に1つ、意外に知られていない“途中下車”の活用法
たとえば、“博多から東京まで行く途中、京都に観光で立ち寄りたい”といった場合。(のぞみ利用)
博多~東京 22,320円(乗車券 13,440円 特急券 8,880円 )
※通常期
博多~京都途中下車~東京 25,030円(乗車券 13,440円 特急券 6,050円+5,540円=11,590円)となります。つまり、乗車料金部分は同じで、100キロ以上の区間において何度でも途中下車することができます。(距離に応じて有効期間があります。)
間違ってバラバラに買うと 29,130円 (乗車券9,560円+7,980円=17,540円 特急券6,050円+5,540円=11,590円)“4,100円もプラス”になってしまいますので、注意してくださいね。
“往復割引”もあります。601キロ以上からで往復の乗車券代のみ1割引になります。 往復利用される場合、こちらもバラバラには買わないように気をつけてくださいね。
以前勤めていた旅行会社で、常にヒット商品を開発している有名な男性社員がおりました。彼は、列車に乗ったら、絶対眠ったりしないで窓の外を眺めるのだそうです。窓の外の景色を見ていると次々に旅行のアイデアが浮かんでくると・・・。
“普段から常に心にアンテナをはり、日常的な風景の中から、新鮮な何かを発見できる感性”そんな“感性”が、旅行会社の社員には必要だと教えられました。
新入社員研修で彼のスピーチを聞いたときに妙に感動して心に残った話です。最近でも、日々忙しくて、疲れてくるとそういう感性を忘れてしまっている…と思うことがありあります。
もうすぐ春。車窓から“桜”や“菜の花”、いろいろな新鮮な景色が見られそうですね。
うちの夫は出張で鹿児島を訪れた際、日豊本線の錦江湾(鹿児島湾)付近でイルカが群れをなして楽しそうに?ジャンプしているのを車窓から見たそうです。日本でもココでしか見られない風景だそうです。(私も見たい!!)
みなさまも、気分転換にたまにはのんびり列車の旅などはいかがですか?
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