【 2009年 第 7 回 】「がんばりやさん」に出産手当金はある? 社会保険
菅野 美和子(スガノ ミワコ)⇒プロフィール
出産手当金とは
出産手当金とは、健康保険に加入している本人が出産のために仕事を休み、給料を受けられない場合に、支給される給付金です。
対象期間は産前6週(42日間)、産後8週(56日間)です。(双子以上の場合は産前98日間)予定日より遅れて出産した場合は、遅れた日数分についても支給されます。
支給額は、欠勤1日につき、標準報酬日額の3分の2です。
産前産後休暇としてお休みする場合はもらえますが、出産で退職となると、もらえる場合ともらえない場合があります。
引き続き1年以上健康保険に加入していた人が、退職時に出産手当金を受けていれば、期間が満了するまで受けられます。
A子さんの場合
さて、A子さんはどうでしょう。
産前6週間以降も働いています。働いているので、給料はもらえます。となると、「出産のために仕事を休み、給料を受けられない」という条件は満たしていません。
ですから、退職時には出産手当金を受けていない、したがって、退職後も受けられないということになるのです。
では、どうすればよいのでしょうか。
最後の1日を欠勤とします。欠勤だから、給料は支給されません。
すると、最後の1日が出産手当金の対象となるので、退職時に出産手当金を受けていたことになります。
ですから、退職後も、期間が満了するまではもらえるということになるのです。
任意継続被保険者は出産手当金の支給対象とはなりませんので、退職後に出産手当金を受け取るには、このような方法しかありません。
テクニック的なお話になりますが、退職前の1日をどのような扱いとするかで、ずいぶん、違うのです。
これまでかんばってきたA子さん、出産手当金はもらいたいですよね。
なお、出産育児一時金は、資格喪失後6ヵ月以内に出産したときにはもらえます。
しかし、夫の扶養家族となっても、任意継続被保険者となってももらえます。
金額も原則38万円(健康保険組合の場合は、各組合で確認を)と同じですので、出産育児一時金であれこれ悩む必要はないでしょう。
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