【2013年 第12回 毎度お世話になっております、田舎のご近所づきあい】田舎暮らしを始めてみたら
西谷 由美子⇒プロフィール
これは都会も田舎も同じですね、ご近所づきあいは大切です。私もこの一年で、田舎に根を張ることができたのなら、それは嬉しい事です。
田舎のご近所づきあい
前回暖房の話をしましたが、この原稿を書いている段階で、もう初雪が舞ってしまいました。結構底冷えがするものです@九州北部。とはいえ、11月の大きな行事、観光客を呼び込む大々的なお祭りが終わった後なので、その点はホッとしました。
地元の大きな観光行事とは、ご存知でしょうか、日田「千年あかり」(今年は11/9~10)。竹細工が名産品としてあちこちで土産品店に並んでおります大分県は、竹を使って行事のデコレーションやイルミネーションとする催しが、日田以外でもあちこちで開催されております。
私の自宅は会場となるメインストリートから横にそれるのですが、昨年からは通りの全戸が、強制ではありませんが道沿いに竹灯篭を飾ることになっております。メインストリートの両側、河川敷、周辺のご家庭・・・全部で3万本の竹灯篭です。上の写真は河川敷ですが、暗闇の中に幽玄な感じが素敵でしょう、って手前味噌でしたらスイマセン。
夏から準備は始まりますが、まずは材料の竹を山から切り出し、灯篭の形にカットします。一部は和紙を貼ってシェード及び風よけの効果を。ボランティアにはご町内の方、企業の方、それに近所の工業高校の学生さんも参加しています。竹というのは意外と硬くて、運搬もさることながら、加工作業も力仕事になっちゃうんですよね。
それとは別にご町内でも色々とお仕事が始まります。一軒につき灯篭が6本、金曜の前夜祭、本番の土、日と計3日灯りを灯しますので、18個の固形燃料も必要。集計して各戸分をそれぞれ仕分けして、と。ところが中には週末は子供の所に行っていて不在とか、二世帯住宅なので孫のためにも二世帯分やりたいとか、あるいはまったく参加しないご家庭もあれば、高齢の一人世帯なので心配と仰るお宅もあります。
しかし、そこは皆さんお付き合いの深い田舎の事。あちこちから「あそこの分はウチが手伝う」、「うちから少しあちらに回せば数は足りる」などと、割り振りや取りまとめを心配する私に救いの手を差し伸べて下さる方々がいらっしゃいました。助かりました。ちょっとしたことではありますが、こういう心配りができるのも、普段からのお付き合いがあってお互いをよく知っているからなんでしょうね。
もちろん自宅前以外にも河川敷の灯篭の点灯は、実行委員、市職員の方々以外にも多くのボランテイァの方のご協力で無事に一斉点灯が出来ました。日の落ちた夕暮れ、川を挟んだおよそ1kmの広さに、密集あるいは点在する竹灯篭に次々に火が灯っていく様子、どうぞご想像ください。動画も投稿サイトにいっぱいありますよ。
金曜の前夜祭はあいにく小雨模様でしたが、土日は雨も降らず、普段は静かで人通りも少ないご町内がまるで都会の歩行者天国のような人出。あ、夜は、って意味です。春の雛祭り前後の昼間は、観光客が同様に(歩行者天国でもないのに)道一杯に広がって大賑わいですけど。
そして無事に祭りが終わった後、月曜日には朝から撤収作業。泣き出しそうな空模様の下、「あぁ、今年ももうすぐ終わりだなぁ~」というため息なんぞがふっと出てまいりました。もうすぐ一年が終わる訳です。都会から帰ってきた私たちはご近所の人達に色々と知恵を貸していただき、手助けもしていただいて、今年も無事に過ごすことが出来ました。
少しはこの町に馴染んだとしたなら、ご近所の人達のお力添えのおかげですよね。僻地ゆえに不便なこともゼロではありませんが、自然に囲まれ、そして心許せる人たちに囲まれてのびのびと暮らすことができております。まあ、ただ一つ残念なことは「田舎は空気がおいしい~」と自慢できないことでしょうか。玄界灘を渡り、偏西風に乗ってやってくるPM2.5、これだけは招かれざる客と言えますけどね。
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