【 2009年 第 4 回 】今のうちにお金を貯めたい 相談コラム
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール
- 相談者
アリスさん一家 - 家族構成
夫(28)公務員、アリスさん(32)内職 - 相談内容
結婚して一年。家具などの購入で出費が多く、ほとんど貯蓄できませんでした。
半年前、死亡時保障3000万円だった夫の保険を1000万円へ引き下げ、月々の支払額を5000円減らしました。自分なりに考えて見直したつもりですがどうでしょうか。夫は春のボーナスが無くなり、収入は約20万円減。これから1、2回は転勤もありそうです。私は内職をしていて、これからも、家で仕事をしたいと考えています。
たまに赤字が出て、ボーナスで賄うこともあります。マイホーム購入はまだ考えていませんが、今のうちにお金をためるには、どうすればいいでしょうか?
- 収支表
回答
アリスさんは、まだ結婚なさって1年とのことですが、ご自分で生命保険について見直しをされるなど、積極的に家計を管理していこうという気概がうかがえます。が、表の月々の収支ではギリギリ黒字となっているものの、実際には結婚後の貯蓄はあまりできていないということで、その点は少し気になります。ボーナスや独身時代の貯蓄で赤字補填しないで済むように、今後は、月々・年間の両面からの予算管理が必要です。
例えば、毎月の日用品費や被服費は必要なものだけに絞り、その他の高額品については年間予算を組んで計画的に購入するなどしてみましょう。
半年前に見直しをされた生命保険ですが、もう少しご検討になった方がよさそうです。「1000万円に減らした」つもりのご主人の死亡保障ですが、団体保険3つと共済を合わせると、まだ実際の保障額は6000万円超(普通死亡時)。ご夫婦だけの生活には多すぎると思います。
もし1000万円で十分と考えられているのなら、共済だけでよいでしょう。天引きされる保険料も支出のうち。すべての証券をチェックし直して、重複やムダを省くことができれば、月々の積立貯蓄を増やすことができますね。
ご主人はまだ20代ですが、一定の貯蓄を持ち、勤務先の制度を上限額まで活用されていて立派です。今後は、その他の銀行預金や定期積立金などを、将来の資産に育てていくために、有効に活用していくことがポイントになります。
そのためには、まず今後のライフプランについてお2人で相談することが先決です。
たとえば、マイホームの購入。いつごろ、どのくらいの価格で手に入れたいと考えているのかなど、具体的に話し合ってみましょう。そうすれば、頭金として何年後にいくら必要になるのかがはっきりしますから、その資金はこの口座で準備していこうなど、計画的な預け入れができます。
その一方で、長期的な運用で殖やしていくために、今ある貯蓄の一部あるいは今後の毎月の積立の一部を、投資信託等ある程度リスクのある商品に配分することなどもご検討なさってみてはいかがでしょうか。
このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したモノです。
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