【2013年 第3回 子どもが欲しいと思う皆さんへ】歳の差カップルのライフプランニング
川崎 由華⇒プロフィール
結婚するカップルのライフプランの中で、一番大きなプランとなるのは子どものこと。歳の差カップルにとっても、子どもを持つか持たないか、いつ何人持ちたいか、二人での話し合いはとても大切です。
今回は、子どもが欲しいと思っている歳の差カップルに向けて、アドバイスをお伝えしたいと思います。
歳の差がある男女の結婚というと、以前は厳しかった周囲の目が、最近は和らいできているように思うものの、当の本人たちのご家族から理解を得るには時間がかかるというお話をよく耳にします。
歳の差カップルの中には、家族に結婚の承諾を得るために、自分たちのライフプランを立てて、心配なく幸せになれることを示したいと、FPにアドバイスを求めに来られる方々もいらっしゃいます。
結婚するカップルのライフプランの中で、一番大きなプラン
結婚するカップルのライフプランの中で、一番大きなプランとなるのが、子どものことですね。
子どもを持つか持たないか、いつ何人持ちたいかという、わが子への夢と理想…二人での話し合いが大切です。
「理想では子どもが2人欲しいけど、結婚が遅かったし、年齢を考えたら実際は1人になっちゃうかな」とか「昔からの夢で子どもは絶対3人!」とか、様々な意見が出そうですね。
その中で、誰しもが理想を思い描く一方で、自分たちのライフプランと照らし合わせて現実を考えると思います。
国立社会保障・人口問題研究所による第14回出生動向基本調査「結婚と出産に関する全国調査」(2010年)によると、夫婦が望む理想の子ども数は年々低下している(2.42人)うえ、実際に持つ子どもの数(平均予定子ども数)も低下している(2.07人)という結果がでています。
また、理想の子ども数より予定子ども数は少ないという現状もあります。
こちらは、同じ調査の「理想・予定子どもの組み合わせ別にみた、理想の子ども数を持たない理由」のアンケート結果です。
理想の子ども数を持たない理由として、理想を3人以上としている夫婦では「お金がかかりすぎる」「家が狭い」といった経済的理由をあげる割合が高いことが分かります。
一方で、理想で2人以下の場合には「高年齢だから」「欲しいけれどもできないから」などの年齢・身体的理由が多く挙げられています。
歳の差カップルのライフプランのご相談では、女性が年上の場合は年齢・身体的理由で子どもを持つことに躊躇されるお話だけでなく、妊娠・出産によって仕事を辞めなければいけないという懸念や、収入減少への不安をよくお聞きします。
実際、わが国の現状として、出産を機に退職する女性の割合は40%以上を占めています(男女共同参画白書 2012年 より)。
この数字を見ると、やはり産休・育休が取りやすく、子供を預けやすく、出産後に女性が就業継続できる環境が進んでいるとは言えないですね。
女性が子育てをしながらこれまで通り仕事を続けるというのは、ハードルが高く、条件がいくつも揃わなければ厳しいということかもしれません。
また、母性から子供と一緒に過ごしたいと望む女性が多いことも、退職の道を選ぶ女性が多い理由かもしれませんね。
就業継続するかどうかの選択には、現状だけで判断するのではなく、色々な制度を知っておくことと、長い将来のプランニングをすることが大切です。
経済的な理由だけで子どもをもつことを諦めないためにも、退職する場合、就業継続するものの収入が減ってしまう場合の将来のお金のシミュレーションをしてみましょう。
こんな時に、一緒に考え、解決の糸口となる提案をするのがFPです。
また、男性が年上の場合は「一番末の子が夫の定年退職までに成人してほしいから」という理由を挙げて、悩まれている方がいらっしゃいます。
一番末の子が夫の定年退職までに成人するかどうか、ということを言い換えれば、一家の稼ぎ頭である夫が現役で働き収入のある間に、子どもの教育費が必要な時期を終えられるかどうか、であり、夫に関する理由というより、経済的理由にあてはまると思います。
しかし、夫が年上で、子どもがまだ学生のうちにリタイアしてしまうからといって、教育費が捻出できないわけではありません。
人生には様々なライフイベントがありますが、子どものイベントに関してだけは、生まれた時点でいつ義務教育を卒業するのか、いつ大学に入学するのか、つまりその子に教育費がかかる時期を正確に把握することができます。
最も教育費がかかるとされる大学受験期から大学卒業までの期間は、子どもが生まれて17年目からになりますね。
教育費がかかるからその時に働いていないといけないというわけではなく、そこを意識して早い時期から備えておくという考え方に切り替えればよいのです。
夫が定年退職までに成人しないならば子どもが持てない、ということは決してありません。
子どもにかかるお金のプランニングさえできていればよいのです。
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