【 2010年 第 1 回 】賢い消費者になるために① - 消費者力とは ~消費者力をアップしよう
福島 久美子(フクシマ クミコ)⇒プロフィール
多発する消費者トラブル
毎日のように私たちは何かしら物を買い、サービスを受け、消費をしています。
ライフスタイルや経済環境の変化にともない、便利さや快適さが増していく中で、商品やサービスはますます多様化・複雑化し、その一方では悪質商法や欠陥商品による消費者の被害が後を絶ちません。
「消費者トラブルなんて、そんなに簡単にひっかからない」と大半の人が思うと思いますが、事件性のあるトラブル、とまではいかなくても「こんなはずじゃなかった」とか、「セールストークにつられてつい買ってしまい後悔した」という経験を一度ならずお持ちの方は多いのではないでしょうか。
インターネットの発達やクレジットカード、電子マネーの浸透により、現金を直接やりとりすることなくクリック一つで何でも、食料品から金融商品、不動産までもが家にいながらにして簡単に手に入る時代です。
ネットでの買い物に限ったことではありませんが、「魅力的な商品やサービスがたくさんあって」、「気軽に便利に買える」という環境にあると、「買う」という行為に対する慎重さがつい希薄になりがちで、その結果として思わぬ損害やトラブルに見舞われてしまうことも少なくありません。
賢い消費者になる
そして、悪質商法や架空請求のように、だましのテクニックが日々巧妙化しているという売り手側の問題も存在します。
気づいたときには手遅れだった、後悔した・・ということにならないために私たちができること、それは、「賢い消費者になる」ことです。
具体的には、
“消費生活について、正しい知識や基本的な考え方を身につけ、消費者自らが主体となって考え選択し、トラブル時に対応できること“
この力のことを「消費者力」と言います。
何かを買う時、「ちょっと変だな、危ないな?」とか「本当に必要だろうか」と一歩立ち止まって考えることができるという感覚を持つことはとても大切で、消費者力が高まるほどこの感覚も磨かれていきます。
消費者の8つの権利
私たち消費者には8つの権利があるとされています。
・消費生活における基本的な需要が満たされる権利
・健全な生活環境を求める権利
・安全である権利
・選択できる権利
・知らされる権利
・消費者教育を受ける権利
・意見が反映される権利
・救済を求める権利
国際消費者機構(CI)という国際的な消費者団体組織が提唱し、日本でも2004年施行の消費者基本法という法律の中で基本理念として明記されました。
消費者力をつけ、こうした権利についても正しく認識することが、巷にあふれる消費者トラブルを減らすことにつながるでしょう。
本コラムでは、「消費者力」を高めることに注目し、悪質商法やネットショッピングトラブル、金融商品購入など生活の中で遭遇する身近な出来事を通して問題点やその対処法に触れていきます。トラブルを避けるちょっとしたヒントや、考えるきっかけになれば幸いです。
次回は、賢い消費者になるために知っておきたい消費生活の基本である「契約」のルールについてお送りします。日々のくらしは、契約行為の連続です。お楽しみに!
この記事へのコメントはありません。