入院日数の推移や疾病ごとの違い 【2016年 第1回】

【2016年 第1回 入院日数の推移や疾病ごとの違い】生命保険を考える時に絶対役立つ情報!

 松浦 建二(マツウラ ケンジ)⇒ プロフィール

 

どこの保険会社でも医療保険やがん保険等のパンフレットでは、保障の必要性をわかりやすくしたり保障内容を選びやすくしたりするために、いろいろな統計を使って説明しています。
どれも保障を考える上でとても役立つ情報なので、その中から特に重要な統計を取り上げ、さらに詳しくみていきたいと思います。

 

 

 

生命保険会社のパンフレットに最も多く登場する統計情報といえば、厚生労働省の「患者調査」ではないでしょうか。
医療施設に対して3年に1度、医療施設を利用する患者の動向を調査したもので、最新の調査結果が2015年12月17日に発表されました。今回は数多くある調査項目の中から入院(在院)日数に絞ってみていきます。

 

平均在院日数31.9日!

医療費を抑制させるためにも病院等での入院日数は短期化傾向にあります。
下記のグラフは退院患者の在院期間(入院日数)の推移を表したものです。
三大疾病と言われる「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患」、さらに「糖尿病」「肺炎」「骨折」と全体の「総数」を載せてあります。

 

資料:厚生労働省「患者調査」
※心疾患は高血圧性のものを除く

 

平成26年調査での平均入院日数は31.9日となり、3年前(平成23年)に比べて0.9日、平成2年(24年前)に比べて13.0日短くなっています。
ただ傷病によって日数にかなり差があり、悪性新生物(がん)の19.9日や心疾患の20.3日は平均より10日以上短いですが、脳血管疾患は89.5日で平均の2倍以上の3か月にもなります。
糖尿病(35.5日)や肺炎(29.7日)、骨折(37.9日)は平均に近い日数となっています。

 

がんは2人に1人が10日未満で退院

平均の入院日数を個別に細かくみていくと各傷病の入院事情がより見えてきます。
がん患者の入院日数は3週間弱で他の傷病に比べたら短い方ですが、期間別に見ていくと実は10日も経たないうちに半数が退院しています。
2週間以内には3人に2人が退院し、2か月(61日)以上の入院になると僅か20人に1人しかいません。
がん患者の入院日数は比較的短いと言えそうです。

 資料:厚生労働省「平成26年患者調査」から筆者が計算
※不詳は除く

 

脳血管疾患は長期入院になることも多い

脳血管疾患の入院事情は、がんとはかなり異なります。
平均入院日数は89.5日でがんの約4倍にもなり、10日未満で退院できた患者は4人に1人しかいません。
一方で2か月(61日)以上の入院も同数程度います。
脳血管疾患患者の入院は長期になりやすいことを理解しておく必要がありそうです。

資料:厚生労働省「平成26年患者調査」から筆者が計算
※不詳は除く

 

骨折での入院日数は人それぞれ!?

骨折は他の傷病とは違った傾向にあります。
3割の患者は10日未満で退院できていますが、4割の患者は30日以上入院しています。
入院日数は骨折の部位や年齢等に大きく影響を受けるのかもしれません。

 資料:厚生労働省「平成26年患者調査」から筆者が計算
※不詳は除く

 

医療保険には入院給付金の日額保障がありますが、1回の入院で保障してくれる日数は60日や120日等、医療保険によって異なります。
医療保険やがん保険等への加入を考える時は、医療施設での入院事情を知っておくと、より安心できる適切な備えができそうです。

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