【 2010年 第 7 回 】フランスの消費税 フランス気分
横川 由里(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
消費税発祥の国フランス
消費税をもともと考えた国はフランス。1954年からスタートしました。
フランスにおける消費税の正式な名称は、財貨やサービスの取引により生ずる付加価値に着目して課税する仕組みであることから付加価値税 (TVA: Taxe sur la valeur ajoutee)といいます。
付加価値税の一般税率は、19.6%と日本の5倍ですが、軽減税率を設けて負担が大きすぎないように配慮しています。たとえば、食ものや本、生活必需品などの一部のサービスに対する税率は 5.5%であり、日本とほとんど変わりません。
くだものや肉類などの値段そのものが、日本よりかなり安く購入することができます。ただし、ティッシュ類は高く、日本の安売り価格5箱分が1箱分のお値段と考えてよいでしょう。もちろん、道でポケットティッシュを配ってはくれません。
【フランスの物価】
2009年1月時点 フランス観光開発機構 ※1ユーロ=110円
フランスの付加価値税は3段階
また、一部の医薬品と血液製剤の税率は、2.1%とかなり低く設定しています。このようにフランスの付加価値税は、全部で3段階に分かれているのです。
世界中に店舗があるマクドナルドは、もちろんフランスにもあります。私がフランスに住んでいたころマクド(関西地方と同じ言い方をします)の店内に入って価格表を見ると、“あれっ 値段が2つ??”
そうなのです。テイクアウトの値段と店内で食べる値段が違っていたのです。テイクアウトの税率が5.5%。店内で食べるときの税率は19.6%が適用されていたので、値段が2種類表示されていました。
ただし、現在は1種類の値段しかありません。なぜなら、去年2009年7月1日から外食の付加価値税がテイクアウト同じ5.5%に引き下げられたからです。
“レストランで食べる食事代が14%も安くなるのかしら?”
そんなことはありません。メニューの価格を下げるかどうかは任意であり、レストランのオーナー次第なのです。
期待に反して、メニューの値段が下がっていないのが現状。税収が減る分、総額23億ユーロをフランス政府が負担することになりますが、その代わり、外食業界は新規雇用として4万人を2011年までに新規で生み出すことを約束しています。
マクドナルドは国によって違う
余談になりますが、フランスのマクドナルドは日本とはかなり異なります。日本のバンズパンは、柔らかくて甘味がありますが、フランスではよく焼いたちょっと硬いパン。形も四角いのです。味付けもシンプルな塩味で、余計なソースなどはありません。
肝心のハンバーグは、粗く挽いた挽き肉がゴツゴツとしている食感で、日本のマクドナルドのやわらかめのハンバーグとは、かなり異なる印象をうけるでしょう。ほかにもレタス、トマト、チーズが挟み込まれていておいしいですよ。サイドメニューには、サラダやビールまで。もちろんデザートが充実しているのは言うまでもありませんね。
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