【 2010年 第 11 回 】フランスの特産品は保護されている フランス気分
横川 由里(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
フランスの特産品は法律によって保護されている
フランスの特産品は、法律によって保護されています。カマンベール・チーズは、パリの北部に位置するノルマンディー地方でしか作ってはいけません。
ここでは、リンゴやシードル、バターの産地でもあります。
きっとリンゴの木の下で、乳牛を育てているのね。
フランスの牛は、白黒ではなく、茶色い牛がほとんどです。
丸い形で有名なカマンベール。ソフトな感触の食べやすいチーズです。
フランスでは、農業製品やチーズ、ワイン、バターなどに対して、
「AOC」という認証を与えています。
「AOC」とは
「AOC」とは、アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ。
つまり、その原産地で取れた物を保護しています。
製造過程や最終的な品質の評価において、一定の条件を満たしたもののみ、与えられる品質保証を指しています。
フランスの法律によると、「AOC」の基準を満たしていないものは、
「AOC」で規制された名称で製品を作ったり、販売したりしてはいけません。
だから、北海道産のカマンベール・チーズはあり得ないのです!
農産物の生産場所は、とても大事です。
チーズを作る基準
チーズを作る基準は、
①牧畜地域:原料を生産する動物の牧畜場所
②生産地域:搾乳だけして、別の地域で生産してはいけません
③生産時期:放牧や搾乳の時期を定めています
④乳の種類:他のミルクを混ぜていないかどうか
⑤搾乳法
⑥凝固温度・凝固法・加塩法など
ほかにも、菌の種類や熟成方法、サイズまでしっかり決められています。
お金をあげるのではなく、こういう農家の守り方もあるのですね。
フランスでは、日本のように全国どこへ行っても、同じお土産は並んでいません。
いわゆる特産品が並び、とても楽しいですよ。
シャンパーニュ地方産のスパークリング・ワインだけがシャンパン
たとえばシャンパンだって、シャンパーニュ地方で採れたスパークリング・ワインだけをシャンパンと呼んでいます。
シャンパーニュ地方の隣で採れた同じような味のスパークリング・ワインであっても、シャンパンの名前を名乗ることは許されません。
このように厳しく管理をすることで、地方の特産品を保護しているのです。
ほかのワインも同じです。
ボルドーワインはボルドー地方。
ブルゴーニュワインは、ブルゴーニュ地方と決められているのです。
儲かりそうだから真似をしても、お墨付きがないから売れないのでしょう。
フランスへ行きたくなってきました。
今頃は、とても寒く暗くなってきているはずです。
クリスマスと来年の春が待ちどうしい季節となりました。
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