【 2010年 第 12 回 】子育てママの街情報 最終回
中村 真佐子(ナカムラ マサコ)⇒プロフィール
子育て世代に人気のある街の共通点ってあるの?
今までコラムに掲載してきた街は、浦安市や品川区、戸田市、川崎市など開発が進められて新しい街、稲城市、日の出町、小金井市など郊外で自然も豊富な街、世田谷区、文京区、杉並区など成熟した街と大きく分けて、3つほどに分けられます。
街の雰囲気はそれぞれ違いますが、共通点はないのでしょうか。
どこの街でも子育てを楽しもうとサークルやNPO法人など、子育て中のママや子育てのベテランママなどが自主的手活動するグループが多いのではないかと思います。
そのようなグループがネットや自治体を通じて、情報発信を活発にしている事も共通しているように思います。
気軽に活動できる施設が整っている等の活動しやすい環境があるのでしょう。
開発型・郊外自然型・成熟都市型と街は異なりますが、子育て世代はそれぞれの街の特徴をつかんで、子育てをしているのではないでしょうか。
行政の取り組みも子育て世代には重要なポイントとなっています。
子育て世代の望む行政サービスとは?
現在は何と言っても待機児童の解消でしょう。
なにはともあれ現在は、子ども手当を期待するよりも世帯全体の収入を増やしたいと考えている子育て世代。
若い世代の年収はとても低い状態が続いています。
30歳未満の年収よりも65歳以上の年金生活者の年収の方が多いという現実。
節約にも限界があり、やはり収入を増やすことがライフプランの上でも、大きなカギとなります。
子育て世代のママ達は、就業意欲が旺盛で、国としても働き手が増えることは、社会保険や税金の面でも大きな効果があると思います。
しかし国や地方自治体が行う環境整備は、後手後手となっています。
「保活」と言う言葉も生まれ、ママ達は、今日も必死に活動しています。
待機児童の解消は早々には期待できません。苦肉の策として認可外保育の保育料助成をする自治体が増えてきました。
保育園整備はもちろんのこと、民間企業やNPOが子育て支援活動が活発であったり、公立の幼稚園がある街は、子育て世代に人気がありますね。
子育て世代は、医療費助成・妊婦健診費用助成など、「お金がかからない」サービスも求めているように思います。
「お金をもらえる」サービスよりも「お金がかからない」サービスです。
保育園世代から1歩進んで、小学校からの「教育」についても、関心が高い子育て世代。
公立の小中一貫教育がじわじわと増えてきました。義務教育の中でも自治体独自の「教科」や教科書があるなど、特色をもった教育を打ち出す街が注目されています。
子育てや教育にお金がかかる首都圏
子育て世代が求めているのは、ママも働ける環境とサービスによる子育て支援だと、この1年間コラムを執筆しながら強く感じました。
まさにワークライフバランス。子ども手当ではありません。
先月ご紹介した福井県はワークライフバランスを実現しています。
地方と都市では、同じようなことはできません。
都市には都市にできること、高齢化と少子化をうまく利用した行政のワークライフバランスの実現を期待したいですね。
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