Let’s Enjoy “旅”『 賢く楽しく“旅”しましょう。』【2010年 第 3 回】

【 2010年 第 3 回 】Let’s Enjoy “旅”『 賢く楽しく“旅”しましょう。』 楽々旅々

合田 菜実子(ゴウダ ナミコ)⇒プロフィール

海外で盲腸になってしまったらいくらかかる?

AIUが2008年に行った調査によると、都市によってかかる費用がこんなに違うのです。

サンフランシスコならば、250万円、ジュネーブなら300万円弱!←ちょっとびっくりしますね。
パリで113万円、香港でも90万円、というデータがでています。

詳細データはAIUのHPで ⇒ http://www.aiu.co.jp/travel/world/mocho/

ちなみに日本で盲腸の手術を受け7日間程度入院した場合、30万円から40万円程度かかります。そして、健康保険の高額療養費制度などを利用すると、同月内の入院であれば治療に対する自己負担額は8万円程度ですみます。 

ざっくりした計算ではありますが、海外で治療を受けた場合、高額になる可能性が高いというのはイメージできますね。(高額療養費制度は2か月にまたがって治療を受けた場合は、各月ごとに負担した医療費のなかの自己負担額として8万円程度かかります。)

一般的に、さほど怖い病気ではない”盲腸”ですが、慣れない旅先で発症してしまったら言葉が通じず精神的にも大きなダメージを受ける上に、無事治療したものの、目が飛び出るほどの請求書を突き付けられたら正直辛いですよね。

そんな事態に備えて海外に行かれる際は、”海外旅行保険”に加入していくこと!
そして、もうひとつ、”海外療養費制度”について知っておく必要があります。

海外療養費制度とは

国民健康保険または社会保険等の被保険者が海外渡航中に病気やけがをして治療を受けた場合、日本に帰国してから申請することにより負担した医療費の一部を海外療養費として受けとることが出来る制度です。(但し、治療を目的として渡航した場合の医療費は給付の対象外となります。)
ただ、給付される金額は、同じ傷病に罹患し日本で治療した時にかかる費用がベースになりますので注意が必要です。

☆ たとえば、サンフランシスコで盲腸になり、現地で治療してから日本に帰国した場合、
サンフランシスコで支払った治療費・・・ 250万円
日本で盲腸の手術を受けた時に係る費用
      ・・・約30万円(自己負担は8万円程度)
日本で受給できる海外療養
     ・・・ 30万円-8万円 =22万円
自己負担額  250万円-22万 = 228万円
ということになります。

海外旅行の際は、やっぱり“第2回”でもお話した、“海外旅行傷害保険、特に、海外での、“傷害・疾病治療費用 ・・・ケガや病気に係った治療費を補償”には、しっかり加入しておいた方がよさそうですね!

インドネシアの高度な交通事故治療

余談になりますが、日本に住むインドネシア人の友人によりますと、“交通事故で骨折し、骨がバラバラになった場合”、日本で治療を受けるよりも、インドネシアで治療した方が高度な医療技術の治療が受けられるそうです。なぜならインドネシアでは交通事故がとても頻繁におこるため、交通事故による負傷の数が日本に比べて格段に多く、お医者さんの治療経験が豊富だから!だそうです。

また、ベルギーに長く駐在していた友人によると、ベルギーでは具合が悪くなるとまずは窓口になるドクター(ホームドクター)の診療を受けてから各専門医に紹介をしてもらうという仕組みをとっているため、“胃腸が悪いかも”“婦人科系の疾患かも”などと思っていても、直接専門医に相談することが出来ないので困ると話していました。

国によって医療費もさまざまですが、そのお国柄や環境によって医療システムや治療方法に随分差があるようですね。
海外旅行に行かれる際は万が一に備えて、渡航前に少しそのあたりの事情を調べてみてくださいね。

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