【2016年 第1回 ストレスのない楽々移動】都心に暮らす醍醐味
松浦 建二(マツウラ ケンジ)⇒ プロフィール
もしも住む場所を選べるならどこに住みたいですか?
人が住んでいる場所であればそこに何かしらの良いポイントがあり、住んでいる人にとっては「住めば都」だと思います。
しかし、客観的にみれば、住みやすさには利便性や環境等のいろいろな要因があります。
このコラムでは「都心に暮らす醍醐味」と称して都心暮らしの良いポイントを隔月でお伝えしていきます。
筆者は東京都中央区在住ですが、子どもの頃は最寄り駅から3km以上も離れた場所に住んでいました。
距離感を例えて言えば、銀座四丁目交差点から赤坂見附駅までが約3kmで、歩いたら40分くらいはかかる結構な距離です。
家から遠いのは駅だけではなく、中学時代の塾通いは片道10km、高校も片道8kmを自転車通学していました。
銀座四丁目交差点から8kmだと新宿の都庁、10kmだと下北沢駅や中野駅あたりまで行ける距離です。
ジーパンを買う時に自転車で鍛えられた(と言うか鍛えられてしまった)太ももが入らなくてサイズを大きくしていたのを今でも覚えています。
その時の経験が住まい選びや本コラムに当然影響を与えていることを先にお伝えしておきます。
公共機関を使ってストレスなく楽々移動をするには、自宅から最寄り駅までと最寄り駅から目的地(勤務先等)までの2つポイントが重要になります。
都心は駅まで歩けない家がない?
家から最寄り駅まで歩いて自力で移動できることはストレスのない移動に欠かせません。
何故なら他力(自転車やタクシー、マイカー送迎等)に頼ることはストレスの原因になるからです。
「自転車がパンクした」「自転車が悪戯された」「タクシーがつかまらない」「タクシー代が負担」等です。
でも安心して下さい。都心には駅から家まで歩けない家がほとんどないのです。
不動産情報サイトのアットホームから、どのくらいの家が駅徒歩圏にあるのか、どのくらい地域差があるのかを調べてみました。
下記の表は入居者募集中の賃貸住宅を区市別(都心6区とその他主要区市)に最寄り駅からの移動時間でわけて割合(%)で表したものです。
掲載件数は調査日現在の物件数で、指定なしは駅からの距離を指定していないので基本的に100%になります。
20分以内は掲載物件のうち駅から20分以内に限った物件数の割合で、15分以内・10分以内・5分以内も同様です。
駅からの距離を絞っていけば当然割合は下がっていきます。
なお割合は小数点以下を四捨五入しているので、100%が必ずしも全物件とは限りません。
ご覧の通り、都心6区は物件数の100%が徒歩15分以内にあります。
10分以内でみても6区全てが94%以上に達しており、特に中央区は5分以内でも80%に達しています。
徒歩で行ける物件数の割合は都心から離れれば離れるほど下がっていき、郊外の主要都市(横須賀市等)では、15分以内は70%程度で都心6区に比べて▲約30%、10分以内では▲約50%にもなります。
小山市や茂原市あたりになると15分以内は20%程度、10分以内は10%強しかありません。
どこに住んでも駅まで歩けるほど路線網が発達しているのは、都心に暮らす醍醐味の一つと言えるでしょう。
確実に移動できるのが都心の魅力
最寄り駅から目的地へストレスなく移動するには、安く早く楽に着けるのは当然として、確実に移動できることもかなり重要ではないでしょうか。
都市圏の電車は運行本数が多く、網の目のように張り巡らされた路線でどこへでもかなり時間に正確に移動できます。
しかしそれは平常時であり、何かトラブルが起きればすぐに遅延や運休となり、ストレスのある移動になってしまいます。
人身事故・故障・混雑・大雪・大雨・強風・地震・人的ミス等々はいつでもどこでも起こりえることです。
確実に目的地へ着くには目的地の近くに住むのが理想です。
ただ、近くに住めなくても目的地への複数の移動経路(迂回路的な経路)を多く確保できていれば、トラブルが起きてもかなり対処しやすいです。
都心にはJR・東京メトロ・都営地下鉄の3社の路線が充実しているので、3社すべてが使えるとよりリスク回避しやすくなります。
例えば、新橋・市ヶ谷・御徒町・飯田橋等のエリアは3社の路線が通っています。その他、JR山手線や都営大江戸線の沿線には複数の経路を確保できるエリアが多く集まっています。
東京近郊には数多くの路線が乗り入れているターミタル駅もありますが、都心が目的地の場合はどうしても移動距離がある分だけ確実性を損なうリスクが増してしまいます。
都心暮らしなら、最寄り駅から近くに居住しやすく、目的地(勤務先等)へ確実性高くストレスのない楽々移動が可能です。みなさんも、都心に暮らす醍醐味を味わってみては如何でしょうか。
この記事へのコメントはありません。