【 2010年 第 3 回 】違法駐車・違法駐輪 マンションの暮らしを快適に
福本 喜保(フクモト ヨシヤス)
違法駐車
住民の自分勝手な駐車を防ぐ方法
違法駐車されやすい場所に縁石・カラーコーン・植栽BOX等を置いたり、また管理員・理事等で巡回をして防ぎます。違法駐車に対しては、警告書などで勧告をして注意を促す。何度も繰り返す悪質な居住者には、氏名公表なども検討対応します。
違法駐車は多くのトラブルを誘発
マンション敷地内の違法駐車は、単にルールの徹底のためでなく、他のさまざまなトラブルの発生を防ぐためにも解消しておきたい問題です。違法駐車がまねくトラブルとして下記のものがあります。
① 消防車・救急車が敷地内に進入できず、緊急時の素早い対応ができない。
② ゴミ収集車がゴミ置き場に到着できず、ゴミの収集作業に支障をきたす。最悪の場合は、ゴミの収集が行われない。
③ マンション内通路の見通しが悪くなり、子供などの飛び出しのよる事故が起こりやすくなる。
④ 歩道や縁石などへ車両が乗り上げる事で傷みが早くなり、修繕費用がかさむことになる。
こまめな監視と警告票で違法駐車を許さない
違法駐車の原因は、1住戸に1台分以上の駐車スペースがないことです。駐車場を増設することができればよいのですが、なかなか場所を確保できません。省スペースの機械式駐車場を設置するには、増設箇所確保と多額の費用がかかります。まずは違法駐車されにくい環境をつくること、及び違法駐車対策を考えて違法駐車を減らす。
理事等で定期的に巡回して違法駐車をチェックし、常習者には警告票を発行する。警告してもやめない人には、氏名を公表することを通知し、必要な場合は実行します。
ただし、違法駐車対策は注意が必要です。管理組合には警察のように違法駐車を取り締まる権限はないので、勝手に移動させるなどの強硬手段は、逆に訴えられる恐れもあります。
違法駐車させないポイント
① 三角コーンとバーやポールなどを違法駐車されやすい所に置いて、違法駐車できないようにする。
② 駐車場路面に「駐車禁止」の文字やゼブラゾーンを目立つように標示し、駐車できないようにする。
③ 違法駐車の規制や禁止、罰則などを書いた表示板を駐車場の要所要所に設置し、住民に注意・勧告を促し、ルールを徹底させる。
④ 駐車場・その周辺を外灯で照らして夜間の違法駐車をしづらくさせたり、現場状況を見やすくする。
⑤ 管理員や理事が交代で駐車場を巡回し、契約車両以外の車が止まっていないかをチェックする。
⑥ 駐車場の周囲にフェンスを設置したり、駐車場出入り口を契約者だけが開閉できるバーやチェーンなどで封鎖できるようにする。
違法駐輪
放置自転車が多く乱雑なっているのを整理する
住民の自転車が駐輪場以外の場所にあふれている。また、住民以外の自転車がマンションの駐輪場に停められているなど、乱雑なまま放置された自転車はマンションの美観を損ね、居住マナーの悪さ助長します。この状態は「管理が行き届いてなく、居住者のモラルが悪いマンション」の象徴となります。こうした状況を防ぐために、駐輪場を登録制にして、登録料と引き換えにステッカーを渡します。
「ステッカーを貼っていない自転車は未登録車とみなす」と通知し、決められた日時までに登録や撤去がない自転車は処分します。
年度ごとにステッカーの色を変えれば、使用されていない自転車も簡単にわかります。登録の申請を受けたら、自転車登録名簿をつくることが必要です。駐輪場の利用マナーが悪い住民がすぐに判明し、注意・勧告ができます。自転車が増えすぎるのを防ぐために、管理組合で数台の自転車を所有し、住民にレンタルする方法も考えられます。
駐輪場の拡大や増設で駐輪スペース不足を解消
マンションの敷地に余裕があれば、駐輪スペース不足を解消するために駐輪場の拡大や増設が考えられます。その費用には、駐輪場の使用料や登録料を充てるとことが良い方法です。
また、スペースの確保が難しいなら、二段式駐輪ラックを設置する方法があります。
二段式駐輪ラックの上段は、子供やお年寄りには使いづらいというデメリットがあるので、スペースの振り分けには注意が必要です。
また、上段の使いにくさから、ラック外の周辺に駐輪する自転車が増えることもあるので、注意が必要です。
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