住戸部分の使用方法【2010年 第 8 回】

【 2010年 第 8 回 】住戸部分の使用方法 マンションの暮らしを快適に

福本 喜保(フクモト ヨシヤス

玄関ドアの役割とお手入れ

玄関ドアには、災害時の防火戸の役割があるため、手を離すと自動的に閉まるようになっており、グラグラしたり閉まりにくかったりすると危険です。
ドアを開け放しにするため下にものを挟むと、丁番やクローザーに負担がかかり、傷める原因となります。また、あまり急激に閉めると音が躯体を伝搬して他住戸に響いたり、子供の指をつめる危険性があります。ドア自身を傷める原因となりますので、開閉はできるだけ丁寧に静かにする。

・ドアクローザーの調子がおかしい時
ドアクローザーの速度調節ネジが緩むと、ドアが急激にバタンと閉ったり、逆にスムーズに閉まらなかったりします。ネジは上下2か所にあり、上はドアが閉まる直前の速度調節用、下はドアが開かれた状態から閉り始める時の速度調節用です。

・ドアが閉まらない
丁番のビスを締め直す。丁番自体が緩んでいる場合は専門業者に修理を依頼する。

・ドアが重い
丁番が錆びていないか確認し、ドアを軽く開け閉めしながら防錆潤滑油をさす。

・鍵が回りにくい
鉛筆の芯の粉をカギの両面に付けて錠に差し込み、回してみる。
鍵穴に油をさすのはホコリがつきやすくなるので禁物です。

窓まわりのお手入れ

・ガラス
月に1回、住まいの洗剤を入れた熱めのお湯で絞った雑巾で拭き、乾いたら空拭きをする。新聞紙で磨くとよりキレイになります。

・アルミサッシュ
クレンザーで磨くのは厳禁、ガラスと同じように拭き、仕上げに自動車用のワックス等を塗ります。

・レール
ブラシを使って泥などを取り除いた後、固く絞った雑巾で拭き取ります。

・網戸
電気掃除機でホコリを取り、洗剤を含ませたスポンジを表と裏に当てて拭いた後、同じ要領で水拭きをする。一方から押すと網が緩んでしまうので注意する。

収納部のドア

キッチン流し台のドアや洗面化粧台下足入れなどのガタつきは、ドアの裏側のスライド丁番のネジの緩みが原因。開閉がスムーズにいかない時には、ネジの緩みを調整する。

浴室・洗面室

浴室のお手入れと注意

・夜中に入浴する際は、音等十分に気を付ける。蒸気がこもったままにしない。
入浴中はもちろん、入浴後も1時間以上換気扇を使用する。窓がある場合は開ける。

・高熱に注意
ユニットバスに使用されているFRPは高熱に弱いので注意が必要です。

・有機溶剤、ヘアトニック、漂白剤などを流さない
表面の変色や傷みの原因になります。もし、誤って流したり付着させたりした場合は、すぐに水で十分に洗い流す。

・塩素系漂白剤やカビ取り剤などの使用時は、有毒ガスが発生する可能性があるので、製品の取扱説明書をよく読み必ず換気をする。

キッチン

・シングルレバー水栓
レバーを左右に回転させることによって水温を調節する。従来の水栓に比べ、操作が簡単です。急激な操作はしないようにする。

・熱感知器
熱の上昇を感知、ブザー等で知らせる。適宜除塵をする。

・レンジフード
排煙効果の高いレンジフードを使用、時々フィルター等のレンジフードの中を掃除する。

・点検口
万一の場合の事故や将来の補修工事を考え、天井や壁面に設置。
天井や壁をはがさず配管の点検ができます。

リビング

床がフローリングの場合は、イス等の衝撃音が下階等に伝搬しないようにカーペット等を敷くなどの対策をする。

洗濯機置場

・水栓
給水ホースは、抜け落ちないようしっかり取りつける。使わない時は給水栓をしめる。

・アース端子付きコンセント
水を使うため感電事故が起きやすいので、アースが付いています。
コンセント下部のアース端子に洗濯機のアースを接続する。

・洗濯機防水パン
洗濯機まわりを防水し、漏水事故を防ぐだけでなく、洗濯機の振動による傷みを防ぐ効果もあり、下階隣接他住戸への騒音対策にもなります。

洗濯機防水パンについての注意点
・乾燥機は洗濯機の内側に置く
縁に引っ掛かると洗濯機防水パンが破損する恐れがある。
・糸ぐずを放置しない
洗濯機防水パンのトラップには糸くずがたまりやすく、放置するとトラップの中の水がなくなって悪臭が上がってきたり水の流れが悪くなったりする。

トイレ

・便器
マンションの水洗トイレに使われている便器は、サイホン式(水の圧力差を利用したサイホン作用によって、汚物を洗い流すしくみです)。排水路が曲がりくねっており、そこに満たされた水のサイホン作用によって汚物が流れます。中が複雑になっていますから、水に溶けにくいティッシュペーパー、かさばった紙オムツなどの異物はすぐに詰まってしまいます。

しかも、いったん引っ掛かった異物は、押し込もうとすればするほど詰まりがひどくなります。便器の中に誤って落としてしまったものは、すぐに拾い出すようにする。

使用勝手をよく理解し、周りの住戸にも気を配り生活することが快適なマンションライフをエンジョイすることができます。

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