九州・沖縄地方の「働き方事情」【2012年 第11回】

【2012年 第11回 】九州・沖縄地方の「働き方事情」 ~地域:九州・沖縄

瀬尾 由美子(セオ ユミコ)⇒プロフィール  

11月に入り、今年も残すところ2か月となりました。収穫の秋を迎え、あちらこちらから大地の恵みの品々の便りが聞こえてきます。読書の秋や食欲の秋でもありますね。
さて、カレンダーを見てみると、11月には嬉しいことに祝日が2日あります。3日は文化の日、23日は勤労感謝の日です。

そこで、勤労感謝の日にちなみ、今回は九州・沖縄地方の働き方事情について各種データなどを基に確認していきましょう。

 


鹿児島県統計局発表「統計でみる鹿児島県のすがた 労働」より
鹿児島県の統計局が発表しているデータに、「統計でみる鹿児島県のすがた」があります。更新日は2012年9月24日となっていますが、このデータの中で「労働」に関するデータがありますので、この資料を基に確認してみましょう。

労働力状態

まず、「労働力人口比率」についてのデータがありました。2005年度のデータとなっているので、ちょっと古いのですが確認していきましょう。
労働力人口とは何でしょうか?
総務省統計局は「労働力調査」を定期的に発表していますが、用語の解説」も準備されています。この用語の解説で確認してみます。

労働力人口とは、満15歳以上の人口のうち、就業者や休業者および完全失業者の合計を指すものです。一方、学生や家事従事者など職を持たず、また職を求めていない人は非労働力人口を指します。図にまとめると、次のようになります。

 

 

 

 

 

鹿児島県の統計局が発表しているデータを基に、九州・沖縄地方の労働力人口比率はどうなっているか見てみると、男性の場合、全国平均が72.1%ですが、全国平均を上回っているのは、佐賀県だけで73.2%となっています。

一方、女性の場合は、全国平均が47.8%に対して、全国平均を上回っているのは、佐賀県の50.8%と宮崎県の50.2%、熊本県の49.4%の3県となっています。
佐賀県は男女ともに全国平均を上回っている事が確認できました。人口が多いのは福岡県ですが、福岡の場合は大学なども多いので、学生が多いため非労働力人口が多いのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

就業状態

次に、就業状態について確認してみましょう。これは、仕事をしている人たちが、どのような仕事に従事しているのかを産業別に分類したものです。

まず、第1次産業就業比率については、全国平均が4.8%となっています。福岡県以外の県で全国平均を上回っています。特に宮崎・鹿児島・熊本の3県は、全国でも4位・5位・6位となっています。農業や畜産業が盛んなので、ある意味当然の結果かなと感じました。

次に、第2次産業就業比率については、全国平均が26.1%となっていますが、全ての県において全国平均を下回っています。製造業などの企業の進出が遅れているのでしょうね・・・。ただし、このデータは2005年度になりますので、現在は変わっているかもしれませんが、鹿児島に関しては、不況のあおりで最近撤退していく企業も多いので、第2次産業従事者比率は少ないのではないかと思います。

最後に、第3次産業就業比率についてですが、全国平均が67.2%となっているのに対して、沖縄・福岡・長崎の3県が全国平均を上回っています。特に沖縄は2位、福岡は3位、長崎は8位とトップ10に3県も入っています。さすが日本有数の観光地だからでしょうね。

 

 

 

 

 

 

就業状況

最後に就業状況について確認してみます。パートタイム就職率については、全国平均は8.1%となっていますが、福岡県以外の県はすべて全国平均を上回っています。福岡県以外では、パートタイムなどの非正規雇用で働く人たちが多くなっているようです。

また、45歳以上の中高年齢者就職率は全国平均3.8%となっていますが、全ての県で全国平均を上回っています。ということは、若い人たちは都会に仕事を求めて出て行き、地元に残っている人たちはそれなりに年を重ねてきている現状ということが想像できそうですね・・・。

 

 

 

 

 

 

たまには自分にご褒美を!

九州・沖縄地方は、製造業が少なく、農業や畜産業が盛んで頑張っている地域と、観光地として頑張っている地域の姿を改めて確認することができました。

お仕事するのも大事ですが、「勤労感謝の日」には仕事ができることに感謝し、頑張っている自分をほめて、たまにはご褒美をあげるのもいいですね。
実りの秋、食欲の秋、読書の秋、自分なりの秋を見つけに旅行するのもいいかもしれません!

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