【2006年 第3回 夏休み】 仙台こだわりの味
橋本 勝美 (ハシモト カツミ)
私の住んでいる仙台には、地元はもちろん、土産物として県外の人々からも愛される伝統の味や名物があります。
そんな中からいくつかの名物をご紹介します。
牛タン焼
一番に挙げられるのが牛タン焼です。
これは、先に米国産牛肉のBSE問題でも全国版で取り上げられましたので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、仙台市内には牛タン焼の老舗が軒を連ねています。
要は、牛の「舌」をスライスし味付けした物を炭火の上で焼いた物です。
発祥は戦後の昭和25(1950)年頃、もともと洋食の素材だったものを「味太助」の初代店主、佐野啓四郎氏が試行錯誤の末「仙台牛タン焼」を始めたのが広まり、現在では、牛タンと言えば仙台の名物となっています。
基本の定番メニューは、牛タン焼に、麦めし、テールスープのセットです。
お勧めは、玉子の黄身が入ったとろろにしょうゆをたらし、麦めしにかけるとさらにおいしく頂けます。
仙台出張のビジネスマンや、観光客にも大変好評のようで、仙台駅構内に牛タン通りと呼ばれる一角に数店の牛タン専門店があり、お昼前後は長蛇の列となっています。
笹かまぼこ
仙台でもう一つの名物が「笹かまぼこ」です。かまぼこと言うと、普通お正月のおせち料理などに添えられる半円形の板に乗った紅白の物を思い浮かべるかと思いますが、名前の通り、笹の葉の形をしたかまぼこです。
仙台は、海に近く各漁港に水揚げされた、キチジ、スケトウダラ、ヒラメなどの新鮮な魚のすり身を原料に、笹の葉の形に整えられ、一枚一枚丁寧に焼き上げられているものです。
私も転勤で仙台に来るまでは、かまぼこはお正月に食べる物と思っていましたが、普通にスーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されています。
冷やし中華
あと意外な名物を一つご紹介します。
これからの季節、中華そばに変わり「冷やし中華」を食べる機会があるかと思いますが、なんと「冷やし中華」発祥の地も仙台なんです。
知ってました? (私も転勤してから6年になりますが、昨年始めて知りました。)
昭和12(1937)年に、夏でもおいしく中華を食べる方法を探っていた組合に、初代「龍亭」の四倉義男氏が提案したのが始まりです。
「涼拌麺」(りゃんばんめん)の名で発表された冷やし中華は市内各店にも登場し、現在は全国の中華料理店で夏のメニューとして定着しています。
仙台人は食べることにこだわりを持っています。一度仙台へおいでください。
※河北新報より一部抜粋
【2006年7月18日00時00分】
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