【2006年 第3回 住宅】賃貸価格 ~ 東北楽天ゴールデンイーグルスと賃貸事情
橋本 勝美 (ハシモト カツミ)
春の異動、転勤の季節がまたやってきました。特に仙台圏は大手企業の東北地区の
営業拠点として、支店、営業所が開設され、社員、家族の異動に伴い法人による賃借物件の需要が活発な地域です。
法人の需要傾向
近年のリストラによる支店、営業所の統廃合により、法人による需要は減少傾向にあります。
実際、昨年の仙台市の人口動向によれば、就業年齢対象者の人口が減少しているとのデータもあります。
これは、今まで転勤等で仙台で就業していた人たちの流出によるものと見られています。
さらに、大手企業では、自社で社宅、寮を市内に所有しているケースも少なくありませんでしたが、近年は社員の福利厚生のためとは言え、直接利益を生まない不動産を所有する事が時代のニーズに合っていないとの流れで処分され、立地がよい為 分譲マンションに変わっている所もあります。
この様な場合は、そこに住んでいた社員が、民間の賃貸マンションなどに移転しそうですが、それはほんの一部で支店営業所を東京に集約して出張で対応していると見られております。首都圏より仙台への交通手段としては新幹線を利用すれば、東京駅より最も早い列車で約1時間40分、朝出発して業務を行い、夕方東京へ帰社する事が十分可能です。
学生の需要
一方で仙台は、東北地区の中心となる都市です。近県より就職や進学で人が集まり、特に東北大学をはじめ、文教都市としての一面があり、毎年多数の新入学生を迎え入れています。
しかし、少子化による影響なのか、大学周辺に建てられた学生向け1R、1K物件の空室が非常に多い様に感じます。
先日知人の息子さんが仙台の大学に合格し、青森県より下宿を探しに来るとのことで、1日おつき合いをしました。
不動産業者で大学周辺の目ぼしい物件をピックアップして訪問しましたが、物件の周囲でまだ1月中旬の季節にもかかわらず、入居者募集の看板が多数見受けられました。
おそらく、1K、1Rがこの時期入居者がいない場合、ほぼ1年空室だった可能性があり、需要に対してかなり供給が多いと見られます。
東北楽天ゴールデンイーグルスの効果
以上のように、マイナス面ばかり指摘しましたが、東北地区仙台圏にとってプラスの材料も生まれています。
全国的に話題になりましたプロ野球の新規球団参入で、東北楽天ゴールデンイーグルスが発足した事です。
仙台をフランチャイズにし地元密着を掲げ、多くの選手、球団関係者が新たに来仙 されました。
人数的には100人にも満たない規模ですが、東北地区全体としては明るい材料です。
よく言われる地元に対する経済効果が期待されますが、実際私の周囲でも直接の効果として、長く空室になっていた月額賃料が20万円以上もする賃貸物件が、所属選手により契約になったとの話も聞いています。
今後も地域の活性化に繋がる流れに注目していきたいと思います
【2006年02月2100時00分】
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