【2006年 第3回】[住宅]賃貸価格 ~ フリペからみる福岡の家賃相場&住替え情報バンクとは?
平川 すみこ(ヒラカワ スミコ)⇒ プロフィール
ここに3冊のフリーペーパーがあります。いずれも賃貸物件紹介の無料情報誌です。
地下鉄の駅などに置いてあるものをいただいてきたのですが、フルカラーのものあり、350ページの重厚版あり、福岡および近郊の賃貸情報が満載で、思わず見入ってしまいました。
今やインターネットでも部屋探しができますが、冊子は冊子で、パラパラ眺められるのが楽しいですね。
ネットが条件検索で絞込みをして物件を探すのには適しているのに対し、なんとなくどんな部屋がいくらくらいであるのかな~、と相場を知るのに、冊子は適しているようです。
福岡の家賃相場
某不動産関連サイトが算出している全国のエリア別家賃相場情報によると、福岡県で一番家賃相場が高いエリアは、福岡市中央区、次いで、福岡市博多区となっています。
それでも、東京エリアで高値の港区、千代田区の相場と比べると、3分の1程ですが。
では、私の手元にあるフリーペーパーに掲載されている物件にはいくらくらいのものがあるか見てみましょう。
350ページものの冊子では、エリア別で家賃の安い順に物件が紹介されていて、福岡市中央区の賃貸マンション、アパートだけでも、下は2万円から、上は98万円の家賃の物件が900件以上あります。うち約3分の2は、家賃6万円未満です。
フリーペーパーが若者の一人暮らし向けに作成されていることを考えれば、リーズナブルな物件が多数掲載されているのはうなずけます。反対に家賃98万円の物件って年収いくらくらいの方が借りるのでしょうか。
家賃貧乏にならないように
住宅ローンを借入れる場合、一般的に、毎月返済額の5倍もしくは4倍以上の月収があることが要件となっていますので、それをあてはめて考えてみると、家賃98万円×4倍として、月収約400万円、年収に直すと約4800万円以上の方向けの物件だといえそうですが、はたして実際にはどうなのでしょう。
どんな環境でどんな部屋に住みたいか、生活の基盤となる住環境、住設備はとても大切ですが、収入に見合った賃料かどうかもきちんと考えることも大切だと思います。
希望だけを優先したり、見栄をはったりして、くれぐれも家賃貧乏にならないように気をつけたいですね。
あんしん住替え情報バンク
最後に、福岡県の事業である「あんしん住替え情報バンク」をご紹介します。
郊外の一戸建てに住む高齢者世帯には、家族構成の変化や加齢による身体能力の低下などにより、広い住宅の維持管理の大変さや、通院の難儀さなどで、より利便性の高い都心部などへ住み替えたいという意向を持っている方がいます。
これに対し、比較的狭い賃貸住宅に居住している子育て世帯は、子育てに適した環境の住宅を求めています。
このような「郊外に持ち家があるが都心部へ住替えしたい高齢者世帯」と「環境のいい郊外の広い家で子育てしたい若年者世帯」のマッチングをするなど、高齢者世帯等の住替えの円滑化と、住替後の空家の有効利用を図る事業を展開しているのが「福岡県あんしん住替え情報バンク(略称:「住替えバンク」)」なのです。
相談は無料で、平成16年10月1日の開設以来、平成17年末までに約670件の相談が寄せられているそうです。
住替え検討世帯の相談者の年齢は60、70歳代が7割となっていて、高齢者の住替えニーズの高さがうかがえます。
高齢になると、賃貸住宅の入居条件が厳しくなったりしますが、住替えについて無料で相談でき、事業者の紹介も受けられる公的な相談窓口は心強いものだと思います。ぜひ多くの方が有効に活用されることを願っています。
【2006年02月21日00時00分】
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