【2011年 第13回 】エンディングじゃないノートだからこそ、今を大切に⑤~自分の「生活」を「人」の切り口でふり返る~ “終わり”ではない「エンディングノート」
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒ プロフィール
お正月気分が抜けてくるこの時期。届いた年賀状を整理しながら、自分に関わる人たちとのおつきあいをふり返るいい機会です。
おつきあいをふり返るツールの年賀状
お正月気分もそろそろ抜けてくるこの時期、年賀状のお年玉くじ当選番号の発表を楽しみにしておられる方も多いことでしょう。
(ちなみに今年の抽選日は、2011年1月23日です!)
その番号を確かめるついでに、今年頂いた年賀状を整理しながら、自分の生活を「人」との関係からふり返ってみてはいかがでしょうか。
前回は、「時間」の切り口で生活をふり返ることを提案しましたが、その時間を過ごす中身というのは、自分以外のたくさんの人たちとの関わりによってできあがっているともいえます。
ですから、自分自身の生活をふり返るためには、人とのおつきあいが欠かせません。
そういう意味で考えると、頂いた年賀状は、自分の遠い昔から今現在に至るまでの長い年月のおつきあいが凝縮されたもの。おつきあいをふり返る絶好のツールといえそうです。
増えた年賀状メール
昨今は、携帯電話の“おめでとうメール”で済ませてしまうことも多くなってきたかもしれません。
私自身をふり返ってみると、日常おつきあいのある方々とは年賀状のやりとりは少なく、むしろ昔からの懐かしいおつきあいの人ほど年賀状でのやりとりが絆になっている感じがします。
わざわざ手紙を書いたり、電話をかけたりするには少し遠いおつきあいになっている人。
でも、人生のどこかの時期に、お互いに共通する思い出を持ち合っている人。
年賀状はそんな人たちとのおつきあいをいつまでも大切にできる良さがあると思います。
私は、年賀状リストをパソコンで管理しています。送る準備をする年末と、受け取った年始に、住所の変更などの事務作業を兼ねてリストを更新し、その後印刷をするようにしています。
パソコンや携帯電話で住所を管理することが多くなったため、紙ベースでの「住所録」を持たなくなりました。情報の更新という面ではデジタルが便利ですが、いざというときに頼りになるのはやはりアナログ。うまく使い分けたいところです。
年賀状の分類
年賀状をおつきあいで分類してみると、以下のようなグループに分けられる場合が多いでしょう。
・親や兄弟姉妹、親戚など
・学校時代の友人や幼なじみ
・昔お世話になった方
・仕事上のつきあい(過去・現在)
・所属しているグループや団体の仲間(趣味や習い事・ボランティアなど)
ギュッと詰まった何十枚から何百枚にも及ぶおつきあいの束の中から、これらを少し解きほぐして“核”になるおつきあいをさがす作業は大切なことかもしれないと思うようになりました。
それは自分のおつきあいを整理するためでもありますが、加えて“もしも”の場合に家族が役立てるためにということも考えてのことです。
エンディングノートの活用
毎年更新する年賀状リストや普通の住所録には載せない情報あるいは工夫を、エンディングノートなどの整理ノートでは記しておくことができます。
たとえば、一人暮らしをしている私の母。
よく話題に出てくる何十年来の旧友の名前などはある程度知っています。が、詳しい間柄とか連絡先などは知りません。
また、「遠くの親戚より近くの他人」とも言いますが、母が毎日顔を合わせている現在のご近所の方は、娘の私もよく知らないのが現実です。
年賀状リストや住所録にはおそらく載っていないであろうこういった情報は、“もしも”の場合を考えると不安があります。備忘録としてノートにまとめて書かれてあればいいなと思います。
さらには、習い事や趣味の活動などで所属しているグループに関する情報。
これらも年賀状リストや住所録だけではわからない、今現在の大切な情報です。
セカンドライフが長くなり、新しい場で生き生きと人間関係を広げていかれる方は、今後ますます増えることでしょう。
グループ名やその代表者・知人の名前、連絡先などについてもノートに情報としてまとめておくと、自分も家族も安心ですね。
今年も充実した毎日を送るために、古くからのおつきあいも大切にしながら、新しいおつきあいも広げていきたいものです。
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