地方における教育費【2011年 第8回】

【2011年 第8回】 地方における教育費 ~家計コラム 教育費(地方)~

キムラ ミキ  ⇒ プロフィール

教育ローンには、公的教育ローンと民間教育ローンがあります。
今回は民間教育ローンについていくつか具体的な内容をチェックしてみましょう。

 

 

教育ローンの基礎知識

民間教育ローンについて、具体的な商品事例を取り上げてみる前にローンについての基礎事項を整理しておきましょう。

<金利の種類>
教育ローンにおける金利の種類は、住宅ローンのように30年以上の長期ローンとはならないため、変動金利か固定金利となります。公的教育ローンである国の教育ローンは固定金利となっている一方、民間教育ローンは主として変動金利となっていることが一般的です。金融機関によっては、固定金利を選択できる場合もあります。

固定金利は、借入期間中の金利は一定です。そのため返済金額も一定となるため、返済計画の見通しが立てやすい一方、変動金利と比べて金利は高めの設定となっています。

また、変動金利は、年2回金利の見直しが行われるため借入期間中の金利が変動する可能性がありますが、固定金利と比べて金利は低めの設定となっています。なお、変動金利の見直し基準となる短期プライムレートの推移をみると、この10年大幅な変動は生じていません。

<保証料>
公的教育ローンでは、連帯保証人を立てることができる場合には保証料は必要ありませんが、民間教育ローンでは、保証料が金利に上乗せになっているケースが多いようです。

民間教育ローンの例

基礎事項を踏まえたうえで、各金融機関の民間教育ローンをながめてみますと、公的教育ローンに比較して、金利が高めの商品(2011年8月現在 3.5%前後 ※優遇金利を最大幅受けられる場合)が多いようです。
また、ローンのタイプは、公的教育ローンのようにまとまったお金を一括で借入れるタイプと借り入れの枠を決めて必要な度にキャッシュコーナーで借入れをするタイプの2種類に分けられます。

公的教育ローンと比較して、民間教育ローンには、あまり大きなメリットが見られませんが、比較的、検討度の高い、日立キャピタル株式会社が扱う教育ローンに注目をしてみました。
日立キャピタル株式会社が扱う教育ローンは、2011年8月現在の金利が2.9%となっています。この金利は固定金利で保証料も既に含まれています。金利水準は、公的教育ローンと比較しても、遜色ありません。

融資限度額は200万円で、返済期間は、1年~5年。少し、返済期間は短めの設定ではありますが、在学期間中最長4年間の元金据置ができますので、この場合は据置期間を含めて最長8年返済となります(元金据置の場合の金利は 3.15%(固定型・保証料込))。
なお、この教育ローンの使い道は、入学金・授業料・施設費に制限されていることに注意が必要です。

また、前回のコラムで準公的教育ローンとしてお話した、ろうきんの教育ローンには変動金利型もあります。例えば、ろうきんの会員以外でも、インターネット専用の教育ローンであれば、2011年8月現在2.5%(変動金利)での借り入れが可能です。
なお、この教育ローンの使い道は、原則として入学金、授業料等学校へ納付する資金とされていますが、100万円を上限として、仕送り等支度金として利用することもできます。

教育ローンを利用する前に

公的教育ローンは、使い道に大きな制限がない一方、民間教育ローンにおいては、今回具体例を見たように使い道を授業料などに制限している場合も少なくありません。
進学に係る、授業料等は民間教育ローンで、生活費関連は公的教育ローンで…、と使い分けても良いかもしれませんが、その前に本当に借り入れが必要な金額はいくらなのかを冷静に考えましょう。

その上で、金利の種類の選択、返済期間、金利水準を比較した上で、無理のない返済計画をたて、教育ローンを利用されることをおススメします。

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