【2011年 第10回】 地方における教育費 ~家計コラム 教育費(地方)~
キムラ ミキ ⇒ プロフィール
学資保険の選び方
前回は、教育費の準備手段としてかんぽ生命の学資保険についてお話をしました。しかし、ご存じのとおり、学資保険は、かんぽ生命に限ったものではありません。「親から勧められたから…」ではなく、生命保険会社各社が扱っている商品を、比較検討された上で選択しましょう。
今回は、学資保険を比較検討する上で、チェックしておきたいポイントをまとめた上で、代表的な商品を取りあげてみたいと思います。
<返戻率>
学資保険を教育費の準備手段として考えるのであれば、返戻率は注視しておきたいところです。返戻率とは、受け取れる保険金総額を払込保険料総額で割って算出します。つまり、払い込んだ保険料に対してどれくらいの割合の満期保険金等の保険金が受け取れるかどうかを考えるということ。この返戻率は各生命保険会社の商品によっても、異なってきます。
また、ご相談の中で保険証券を拝見させて頂くと、学資保険に勧められるまま保障の特約を付加したことで、払い込んだ保険料総額を割り込んだ金額の保険金しかもらえない…、いわば元本割れの状態になっているケースも、少なくありません。学資準備を主目的として、学資保険を考えるのであるならば、学資保険にセットする形で、特約付加する保障を備えることが本当に必要かは、一考の余地があるように思います
<満期年齢>
地方における教育費を考えますと、高校までの教育費は平均値に比較して少なめであることは以前のコラムでお話したとおりです。それを踏まえますと、教育費を意識して準備する必要性があるのは、多額の出費が予想される高校以降の進学を教育プランの中に組み入れるケースです。この場合、18歳に満期年齢が来るように設定しておくのが望ましいといえますが、高校以降の進学時の費用支出(入学金や引っ越し費用など)を要する時期に保険金の受け取りが間に合うかどうかを、確認をしておきましょう。
学資保険のメリット・デメリット
学資保険は計画的に教育費の準備を積み立てることができるというメリットがあります。また、育英年金をセットした場合は契約者(父または母)の死亡保障としても活用できます。なお、育英年金をセットした場合には、保険料のうち全てが教育費の積み立てに充てられないため生存満期金等の総額が払込保険料総額を下回ってしまいますので、育英年金については、契約者(父または母)の既存の死亡保障と併せて検討することが必要です。
またデメリットとして、中途解約をすると解約返戻金が払込保険料を下回ることから、保険料払込を続けていけない場合に中途解約をする場合、損失が生じることが挙げる場合があります。
ただ、このデメリットについては、「保険料払込を続けていけない=教育費の準備がストップする」ということにもつながる可能性もありますので、その状況が続いても、教育費が確保できるのかどうか、長期的な視点で考えておく必要があります。ただし、このデメリットは、貯蓄が苦手な方にとっては解約を思いとどまる理由にもなり得ますので、一概にデメリットとは言いづらいように私は思います。
具体的には…
具体的には、アフラックやソニー生命の学資保険が、よく保険ランキングには登場しています。これは、先ほど挙げたチェックポイントの内、返戻率が高い商品であるといえます。その他には、富国生命の学資保険も検討に値します。
保険料以外にも、払込終了年齢や満期金を受け取れる時期は、商品によって様々です。
ご自身の高校以降の進学時の費用支出(入学金や引っ越し費用など)を要する時期に保険金の受け取りが間に合うかどうかを、確認をしてができるかどうかを踏まえて検討して行きましょう。
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