光熱費を抑えるポイントは「待機電力」【2008年 第4回】

【2008年 第4回 光熱費を抑えるポイントは「待機電力」】地域コラム 近畿

高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒ プロフィール

 

 

 

 

 

 

先日、自転車でスーパーへ出かける途中、散髪屋さんの店先でおもしろいモノを発見しました。
赤白青の3色がクルクルと回っているおなじみのアレ、サインポールというのだそうです。
…ところが、その店頭には白い陶器の犬。しかもその胴体が、赤白青のシマシマ模様になっていたのです!

なぜ、あえてシンボルマークの回転灯を変更したのだろうかと、勝手に推測してみました。
まずは、インパクト。散髪屋といえばアレという常識をくつがえすことで、通りがかった人に印象を与える効果がありますよね。
もう一つは、「継続的にかかる費用」を抑えるためではないかと…。
営業時間中、ずっと回り続ける回転灯。案外、電気代もバカにならないのでしょう。

この電気代。節約したいのは、なにも散髪屋さんだけではありません。
4月以降、私たちの身近な生活用品が値上がりしています。電気やガスの料金もその一つなのです。
(参考サイト:関西電力 http://www.kepco.co.jp/pressre/2008/0130-3j.html

ただでさえ、さまざまな生活必需品が値上がりしている今。光熱費の単価が上がるのなら、消費量を少しでも抑えたいところです。
そのために、「待機電力」のことを知ることが助けとなると思います。

家庭の一世帯あたりの待機時消費電力は、全消費電力量の約7%にあたります。
つまり、「使っていないときは消す」という基本の行動を心がけていても、ゼロにすることはできないのです。
知らず知らずの間に電力を消費してしまう、この待機電力を減らすことができれば、効率的に節約することにつながります。

この待機電力は、大きく3つの種類に分けられます。
① 機能維持のための電力消費
② 指示待ちのための電力消費
③ 接続しているだけで電力消費

①のタイプは、いわゆる「タイマー機能」。
確かに、DVDなどを予約録画するためには電源を切ってしまうと目的を果たすことができません。
が、機種によっては「節電機能」を備えた製品もあります。
節電モードに切り替えることで、時刻表示をしないなど不要な電力を使わずに済ませることも可能です。

②のタイプは、いわゆる「リモコン機能」。
テレビ本体の主電源を切らないでおくと、見ていなくても電力を消費します。
テレビを切ってその場を離れる時には、主電源から切る習慣をつけましょう。
大変そうに思うかもしれませんが、いったんクセにしてしまえばどうっていうことはありません。
ちなみに、わが家の子どもたちはちゃんと守ってくれています。
エアコンは、ほとんどリモコン操作で済ませることが多いため、本体のコンセントには目がいかない方が多いかもしれません。
天井や壁の高いところにあることが多いので、ちょっと面倒ですが、使わない季節はコンセントからぬいてムダな電力を抑えましょう。

③のタイプは、自分で意識して「使うときだけ電源を入れるためのしくみ」を作らないと、知らない間に使ってしまいます。
かといって、使うたびにコンセントを抜き差しするのは大変。
そんな時に便利なのが、必要に応じて電源をオンオフできるエコタップです。
たとえば、携帯電話の充電器。
充電が完了したあとも、そのままにしていませんか?コンセントに接続した状態になっていると、やはり電力を消費してしまうのです。
私の場合は、キッチンの隅に、電源ごとに独立してオンオフできるタイプのエコタップを設置しています。
ここに、ラジオやオーブントースターなどのコンセントを差し、それぞれ使うときだけ電源を入れるようにしています。
パソコン周辺もこまごました機器が多く、待機電力が気になるところです。
こちらには、テーブルタップごと一括でオンオフできるタイプのエコタップを設置しています。
ここに本体・モニター・スピーカー・プリンターなどをまとめて差してあるので、パソコンを使い終わったらタップの電源をオフにするだけで済みます。
各ご家庭の用途や設置場所にあわせた効率的にコントロール方法を工夫してみて下さい。

主な例を挙げてみましたが、待機電力についていろいろ考えてみて気づくことは、“便利さ”が当たり前になっているために、ついついムダなエネルギーを消費してしまっているということです。
押せば熱湯が出る“便利さ”に甘えて使っていた電気ポットですが、私は数年前に使用をやめました。
カップ一杯なら電子レンジを利用しています
。電気炊飯器もその数年前にやめて、その都度お鍋で炊いています。
冷やご飯になれば、やはり電子レンジを利用しています。
ちなみに、3年前に買い替えた電子レンジは、待機電力ゼロの機種。こういった企業の努力もありがたいですね。
常時温めてある“ぜいたく”が当たり前になっている、トイレの便座も気になります。
せめて、使ったあとはフタを閉める、夏は便座や温水の温度を下げるなどを心がけています。
機種によっては、使わない時間帯に電源を切るように設定できる節電モードを利用できる場合もあります。
最新の機種になると、「人を感知してヒーターを立ち上げ、6秒で適温に上げる」ものもあるそうです。
(参考記事 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080214/293772/

買い換えの時期には、こういった待機電力のことも考えて購入する視点も大切。検討してみてはいかがでしょうか。

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