【2008年 第10回 【金銭教育その4】「こづかい」調査の結果と、子どもへの「金融教育」】地域コラム 近畿
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒ プロフィール
「Benesse教育情報サイト」の教育ニュースに、「お小遣い、どうしていますか?」という小学生の保護者を対象にした調査結果が公開されています。
https://benesse.jp/kyouiku/200809/20080925-1b.html
こづかいに関する調査というのは他にもいろいろ行われているので、みなさんも目にする機会があることと思います。
今回の調査は、ベネッセのこのサイトに登録している保護者の回答をまとめたものです。
サイトの趣旨から考えても、「子どもの教育」に関心の高い人が多いことが想像できます。
調査結果についても、たとえば、こづかいを定期的に渡している割合が、他の調査結果と比べて、あるいは日頃の実感よりも、高い印象を受けます。
こづかいの平均金額の調査結果については、「金額には『小学生ルール』『中学生ルール』『高校生ルール』があるらしい」と表題がつけられています。
このコラムの第8回で、私が問題提起した、例のアレ…です。
https://www.my-adviser.jp/chiiki-kinki-c08/
小学生は「学年×100円」、中学生は「学年×1000円」といった“公式”による金額を回答した家庭は、やはり多いようです。
もちろん、中にはもっと細かいルールを決めて「お手伝い」との連動で臨時収入を与えたり、ルール違反があった場合には減額などというご家庭の具体例も紹介されています。
さて、この調査の後半では、保護者に対して「子どもへの金融教育」に関する質問も行われています。
「金融教育」、みなさんはどのような印象を受けられますか?
こづかいに関することならともかく、私たち親の世代にとっては、「私も金融教育を受けた覚えはない…」という人が多いかもしれません。ことばから受ける印象も、むずかしい感じがしますね。
「金融教育はどのくらいから行ったほうがよいのか」という質問に対する調査結果。最も多いものから中1(約20%)、小5(約15%)、小1(約12%)という順になっています。
各保護者が「金融教育」をどうとらえたのかという違いが感じられます。
「金融」とは、お金の貸し借り、あるいは、お金の融通。つまり、経済活動としてのお金の流れのことです。
このように狭い意味でとらえた保護者は、子どもがある程度大きくなってからでいいと答えたでしょう。
ひと昔前までの日本では、こんな風に考えて「子どもにお金の話は必要ない」と答えた保護者は多かったかもしれませんね。
しかし、この調査結果によると、高校生と答えた保護者の割合は約9%で、小1と答えた保護者の方が多かったのです。
金融教育を、「お金にかかわる教育」と広い視点でとらえ、子どもが小さい頃から、その必要性を感じている保護者が増えつつあることを感じます。
「働いてお金を得る」という労働に関すること。「お金を使う、貯める」という消費・貯蓄に関すること。
こういった視点で考えると、現代生活には必要不可欠な教育だということが納得できるのではないでしょうか。
金融教育の目的は、お金にかかわる知識はもちろん、お金や経済についての考え方を身につけて、誰もが安心で豊かな生活を送れるようにすることだと思います。
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