債券投資の話・・・意外と使えてプロ投資家も活用【2008年 第1回】

【2008年 第1回 債券投資の話・・・意外と使えてプロ投資家も活用】地域コラム 東海

松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒ プロフィール

 

 

 

 

 

 

私のポートフォリオにおける国内債券の投資割合は低く、その殆どが債券重視の投資信託で占められています。一方、海外債券については、外貨MMFを中心に投資割合を高めにしています。海外債券は金利が高い事もありますが、流動性の高いところも魅力のひとつだと思って投資しています。

プロ投資家は、ポートフォリオの中に上手く債券を取り入れています。また、10年以上の長期投資に限ればマイナス運用になる事は殆どありません。債券重視の投資信託においてもこの事があてはまっています。

 

債券の金融商品における特徴を挙げてみますと・・・
1.償還までの一定期間毎に利息収入がある。
2.定期性預金と比べ金利が高い。
3.元本の確実性が高い。
4.流動性が高い。

この中で元本の確実性が高いとありますが、これは国債だけでなく、企業が発行する社債においても同じ事が言えます。日本において、企業が公募で社債を発行する場合には、事前に厳密な審査があります。また格付け会社からいい格付けを得る必要があり、これらの条件を踏まえた企業でないと発行する事は困難です。この事から、発行・流通している社債は高い信頼があり、元本の確実性が高いといえます。

債券は、償還前に売却する事ができます。その場合は市場価格(時価)で取引する事になります。市場価格で取引するので、換言すると償還まで保有する場合に限り元本の確実性が高いと言えます。

債券価格は市場金利、特に長期金利の影響を受けます。長期金利は、景気、物価、外国為替、海外金利とも密接な関係があるので、債券価格もこれらと密接な関係があるといえます。債券価格は市場金利が上昇すると債券に記載された利率(表面利率)の低い債券の人気が下落するので債券価格が下落します。反対に市場金利が下落すると額面利率の高い債券の人気が上昇するので債券価格が上昇します。また債券価格は市場金利の他に、市場の思惑や将来動向などにも影響を受けます。さらに償還までの残りの期間なども影響を与えます。そのため株式投資より難しく、ファンドマネジャーなどのプロの投資家の腕の見せ所などと言われています。

しかし、市場流動性を有する一方で満期まで保有すると額面金額が返ってきますので、収益性と安全性の両方を兼ね備えた数少ない金融商品だと私は思っています。

参考までに、税金のお話ですが、利息は20%の源泉分離課税。売却時は非課税(海外債券の場合には為替差益も含めて非課税)。償還まで保有した場合には、償還益が雑所得として総合課税の対象になります。

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