判断の決め手はライフプランにあり!【2011年 第12回】

【2011年 第12回 】判断の決め手はライフプランにあり! ~住宅ローン~

奥田 智典(オクダ トモノリ)⇒プロフィール 

家づくりの成否のカギを握る、資金計画。ただ、その内容は十人十色。判断基準として与えられる情報も多種多様であり、かえって混乱するケースもあります。
今回は、ライフプランを活用した、最適な資金計画のつくりかたについてお話します。

■計画しても実践できなければ「絵に描いた餅」

家づくりにおいて、特に資金計画は大切です。どんな素晴らしい家づくりプランを考えても、お金が準備できなくては実現できません。これまでこのコラムでも、頭金や住宅ローン金利の考え方、住宅ローンや保険との賢い付き合い方など、いろいろ述べてきました。

しかし、いざ行動に移そうとすると、話は別。実際相談に訪れる方の多くは、どうやって自分たちの行動に落とし込むかを知りたいとおっしゃいます。確かに、100人いれば100通りの資金計画があり、一般論を簡単にあてはめることは難しいですよね。そんな時、ぜひ思い出していただきたいのは『判断の決め手はライフプランにあり』ということ。

■ライフプランの本当の目的とは

そもそもライフプランとは、結婚、子どもの誕生、マイホーム取得、老後生活など、予想されるそれぞれのイベントにおける支出額、その他支出、給料や年金等の総収入をもとに、今後の資金シミュレーションを実施。その結果を踏まえて必要な対策をとるというものです。特に家づくりにおいては、自分達の身の丈にあった、適正な予算を知るためにも絶対欠かせないステップ。ライフプランを立てることが、自分たちにあった住宅ローンプラン、保険プランを選ぶのにも大変役立つのです。

ライフプランをするにあたっては、毎月の収入、支出はもちろんのこと、現在の預貯金の額や今後の収入、働きかたの予測、お子様の進学予定や老後の生活費、住宅の予算や保険の予算など、あらゆる情報を開示し、予測を織り込みます。なぜなら、可能な限り実態に即したライフプランでなければ意味がないからです。

よく、給与が右肩上がりの予測となっている保険会社作成のライフプランを見受けますが、正直実態とかい離しているなと、見るたびに感じます。極力、実態に即した内容で作成することを心がけましょう。
(余談ですが、将来の受け取る収入が大きくなればなるほど、保険会社がいうところの「必要保障額」は増えます。なぜ、右肩上がりの予測をするか、もうおわかりですね…。)

■判断の決め手はライフプランにあり

では、そうやって入念に取り組んだライフプラン結果をどのように活かすのか。これまでの相談で実際にあった事例を紹介します。

まず一つ目は、夫婦35歳、お子様が3歳、1歳というご家庭。奥様は専業主婦です。ライフプランの結果、これからの10年は教育資金づくりを最優先する時期として明確になり、途中で住宅ローン支払が増えると家計に直接響くため、10年以上の長期固定金利ローンがフィットするということになりました。そこで、全期間固定金利、かつ当初10年間の金利優遇がある、フラット35Sをお選びいただきました。

二つ目は夫婦共働きでお子様がお1人というご家庭。ライフプランの結果、仮に金利が途中であがったとしても耐えられる可能性が高いと判断されたため、変動金利で当初の金利負担を減らすプランをお選びいただきました。
このように、ライフプランを判断基準にすることで、間違いのない、自分達にフィットした資金計画が実現できます。これから家づくりに取り掛かる方は、ぜひ、覚えておいてくださいね。

■保険との付き合い方もライフプランで決まる

保険との付き合い方も、ライフプラン結果によって必要保障額、掛け捨て型と貯蓄型の組み合わせ型が変わります。無理をして貯蓄部分を大きくしてしまい、途中で払えなくなりやむなく解約し、損をする事例も多々見受けられます。注意してくださいね。

大切なのは、まず、ライフプランをしっかり立てること。ライフプランが自分たちにあった家の予算、住宅ローン、保険プランを判断する決め手となります。判断に迷った時の羅針盤にもなりますので、家づくりのスタートはまず、ライフプランニングから始めることを心がけましょう。
自分達だけでは大変…というときには、ぜひ身近なファイナンシャルプランナーに相談くださいね。ライフプランニングこそが、ファイナンシャルプランナーの最も大切な仕事ですから!

  • コメント: 0

関連記事

  1. 住まいを整える【2008年 第10回】

  2. 縄文杉とタネマフタ【2009年 第 7 回】

  3. のびている日本の平均寿命 【2016年 第6回】

  4. えっ?パン1斤が100億!今ここに在るハイパーインフレの国【2008年 第8回】

  5. 世界的スーパー通貨が、G20で検討課題となるのか?【2009年 第 4 回】

  6. 自社が評価されているかどうかを知るためのポイント【2010年 第 6 回】

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。