貯める こつこつ積立 複利の効果【2010年 14回】

【2010年 14回】 貯める こつこつ積立 複利の効果 相談コラム

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒ プロフィール

マネー雑誌を読みますと、最初に○○○万円貯めてその資金をもとに年□パーセントの利回りで運用したら何年後には△△△万円になります、といった内容で複利の効果を説明しているものが多いですが、最初にまとまった資金を準備しないと複利の効果のある資産運用はできないのでしょうか。

 

 

 

相談内容

  •  相談者 Iさん(27歳) 女性/独身 

マネー雑誌を読みますと、最初に○○○万円貯めてその資金をもとに年□パーセントの利回りで運用したら何年後には△△△万円になります、といった内容で 複利の効果を説明しているものが多いですが、最初にまとまった資金を準備しないと複利の効果のある資産運用はできないのでしょうか。

(収入)23万円(手取り)/月
(支出)生活費18万円/月
(預金)70万円

回答

こつこつと積立をする運用方法でも複利の効果を得ることは可能です。
まず、複利の基本的なことから説明をしていきます。

1つ目は、単利と複利の違いから説明を始めさせていただきます。
単利は、元本をベースに利子を計算し、その利子を元本に足していきます。
複利は、元本+支払われた利子をベースに次の利子を計算し足していきます。

元本を100万円、年利率2%、1年ごとに利子が支払われるケースで単利と複利の違いを下の表で確認してみましょう。(税金は考慮していません。)

 

複利の場合2年目以降は、「元本+利子」が翌年の元本になりますので、利率が同じでも元本の違いで単利との間に差が出てきます。この差が「複利の効果」です。

複利の場合2年目以降は、「元本+利子」が翌年の元本になりますので、利率が同じでも元本の違いで単利との間に差が出てきます。この差が「複利の効果」です。

2つ目は、年利率は同じですが、1年ごとに利子が支払われるものと、半年ごとに利子が支払われるものの違いについても表で確認してみましょう。

ここでも、元本は100万円、年利率は2%で計算します。
半年複利は、6か月毎に年利率2%×6か月/12か月=1%の利子が支払われ複利運用されます。(税金は考慮していません。)

 

 

 

以上、2つの表からわかることは、

1.同じ年利回りで運用した場合、単利に比べ複利で運用したほうが有利。
2.同じ年利回りで複利運用した場合は、利子が支払われる期間が短いほうが有利。
ということです。
3つ目は、時間を味方にした複利の効果になります。Iさんからいただきました数字をベースに下の表で確認してみましょう。

Iさんの月の収支は、収入(23万円)と支出(18万円)ですので、毎月5万円を貯蓄に回せる計算になります。

仮に5万円の中から毎月2万円を積立て回し、年間24万円(2万円×12か月)を2%、3%、5%の3つの年利回りの1年複利で運用した場合に5年後、10後、15年後、20年後の金額をそれぞれ計算しました。(税金は考慮していません。)

 

 

 

年利率2%と3%の金利差1%が年を追うごとに広がっています。これが、時間を味方にした複利の効果です。
年配の方ですと、ある程度まとまった資金から資産運用を始めることができます。

現在の低金利の状況を考えた場合に、Iさんのような若い方ですと、まとまった資金を預金等で準備してから資産運用を開始するよりも、最初から、ある程度の利回りが期待できる金融商品を使い、積立方式による資産運用を開始した方が、時間を味方にした複利効果が享受し得やすいように思います。

但し、年利回り(2%、3%、5%)を期待する場合は、元本が変動するリスクがあるものになります。Iさんの判断で、無理のない金額から始められてはいかがですか。

  • コメント: 0

関連記事

  1. 費用 今の教育費水準で考えてはダメ! 【2006年 第2回】

  2. 「北海道の景気の先行きを考える」【2012年 第1回】

  3. 海外に投資するための金融商品②「海外REIT(その1)」【2016年 第3回】

  4. ゲストからの「お祝い」のお金は結婚式・披露宴の貴重な財源。予算に組み込んだ上で、失礼のないおもてなしを。【2006年 第3回】

  5. 特養入所や公的施設利用での変更【2014年 第5回】

  6. 今月の数字5:5年以内なら取り戻せる!?【2013年 第5回】

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。