残債減らし新築したい【2011年 第39回】

【2011年 第39回】残債減らし新築したい ~相談コラム~

佐藤 名ゝ美(サトウ ナナミ)⇒ プロフィール

 

 

 

相談者・家族構成

  • 相談者 Nさん
  • 家族構成 Nさん(39)公務員・妻(35)専業主婦・長女(8)・次女(6)

    相談内容

5年前に中古で購入した築30年の家が老朽化。5年から10年後をメドに、1,800万円程度で小さな家を新築したいと考えています。
ただ、まだ残債が1,500万円ほどあるので、今のペースで繰り上げ返済をしても、あと10年くらいはローン返済を続けなければなりません。
できるだけ債務を減らして、新築の際の頭金を貯めるために、切り詰められるところ、産運用の方法などを教えてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

回答

まず、前建て替え予定の5~10年後に、今お持ちの住宅ローン残高がどれくらいになっているのか試算してみました。Nさんは変動金利ローンをご利用ですから、正確な金額を算出するのは本来不可能なのですが、金利変動をあえて無視して計算してみると、5年後で1,000万円前後、10年後だと650万円程度というのが一応の目安となりそうです。

これを減らすには繰り上げ返済が有効ですが、そうすると反対に、次の頭金はなかなか貯まりませんよね。ご本人は「残債を減らして…」とおっしゃっていますが、Nさんのように残債をお持ちのまま新たなローンをご予定の場合、結局問題となるのは、全ての(新旧合わせた)ローン残高の合計額です。現在、変動金利型のローンをご利用であることを考えると、今すぐに取りかかっても、数年先に延ばされても、最終的な負担にはほとんど差が出ないのではないでしょうか。

ですから、ライフプランという観点からみた場合には、2人のお子さんの高校進学が目前となる5~10年後よりも、義務教育期間が始まったばかりの今の方が、逆に取り組みやすいかもしれませんよ。
れでも「とにかく残債を減らしてから…」ということでしたら、

①節約すること
②建て替えの頭金に予定している資金を高利で運用していくことぐらいでしょうか。

節約について、見直したい支出のナンバーワンは、なんといっても生命保険料です。どんな保障にいくら支払っているのか今一度しっかり見極めて、余分のものは躊躇なく削ってください。
資金の運用については、少なくとも住宅ローン金利を超えるもので。できれば平均5%ぐらいのリターンを目標にしたいところです。

これらの全てを自分で考えていくのは、非常に大変な作業です。実務経験豊富なファイナンシャルプランナーに、継続的なサポートを依頼なさることをおすすめします。

このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したモノです。

  • コメント: 0

関連記事

  1. 海の大国 日本と私たちの投資【2009年 第 2 回】

  2. 消費税【2008年 第8回】

  3. 投信購入時に注意すべき6つのポイント【2011年 第7回】

  4. 旅行積立は出口に注意!今の金利より生涯のライフプランを 【2016年 第4回】

  5. 今月の数字9:争いの根源は民法の条文にあり!?【2013年 第9回】

  6. 【金銭教育その4】「こづかい」調査の結果と、子どもへの「金融教育」【2008年 第10回】

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。