「リスクと上手に付き合う3つの方法」【2011年 第10回】

【2011年 第10回】「リスクと上手に付き合う3つの方法」 ~投資初心者~

長谷 剛史(ハセタケシ)プロフィール

前回は、「年平均利回り10%に飛びつくな!」ということで、安定運用することが重要であることについて学びました。今回は、リスクと上手に付き合う3つの方法をご紹介します。

 

 

 

 

 

投資にはリスクがありますが、リターンを上げなければお金の実質的な価値が下がってしまうことも事実です。老後の資産形成など、私たちがお金を増やしていかなければいけない環境に置かれていることを考えても、リターンのためのリスクは避けて通ることができません。今回ご紹介するリスクと上手に付き合う3つの方法とは、分散投資・長期投資・アセットアロケーションの3つになります。

1、分散投資(対象の分散・時間の分散)
まず、対象の分散ですが、値動きの異なる資産に分散するとリスクが下がります。例えば、株式と債券の値動きは逆相関にあるので、両者を組みわせることでリスクが緩和されます。さらに国内と海外との組み合わせも基本中の基本になります。

次に、時間の分散ですが、金融商品の価格は常に変動しているので、個人の予測や判断に頼るのではなく機械的に購入の時間(タイミング)を分散させる方法が有効です。そして、効果的にタイミングを分散する手法に「ドルコスト平均法」というものがあります。価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになりますので、結果として購入価格が安定します。

 

 


2、長期投資
分散投資をしていても1年だけだとリターンがマイナスになることもあります。そこで、日本株式25%・日本債券25%・海外株式25%・海外債券25%に分散して投資をした場合を見てみましょう。

あくまでも過去の数字ではありますが、1年・3年・5年程度だと投資を始めた年によってマイナスになることもありますが、10年投資をするとマイナスがなくなります。ちなみに10年間投資をした場合の平均リターンは、100万円を投資したとすると199万円になります。

1年ごとに見ると大きな利益が出ている年と、大きな損失が出ている年がありますが、投資期間を延ばしていくと、良い年と悪い年の運用成果は相殺され、投資期間全体で見ると収益が積み上がっていきます。

 

3、アセットアロケーション
最適資産配分と訳されることも多いですが、国内外の株式・債券・預貯金などの資産を組み合わせることを言います。投資をするとき、タイミングや銘柄選択を気にする方は多いですが、運用成績への貢献度は圧倒的にアセットアロケーションが一番になります。

次に、アセットアロケーションの決定手順ですが、①ゴールの設定⇒「時間」と「金額」が決まる。②目標利回りの設定⇒○万円を△年後に□万円にするなら☆%で運用。③リスク許容度の確認。資産配分が決まれば2で見たように長期投資を実行することになります。

ただ、時間が経過すれば最初に決めた配分が崩れることになりますので、定期的に配分を見なす=リバランスをすることが大切です。りバランスした場合としなかった場合では、平均リターンに差が出ますので1年に1回程度はりバランスを行うようにしましょう。

以上、リスクと上手に付き合う3つの方法をお伝えしました。「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように、リスクと上手に付き合ってくださいね。

次回は、「株式投資と心構え」というタイトルで株式投資の基本を解説しますので、楽しみにお待ちください。

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