2014年 第11回 常にあると思うな優待制度・・・株式会社関門海- 株主優待は楽し
松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒プロフィール
関門海 (銘柄コード:3372)は、格安フグ料理「玄品ふぐ」が有名だが、カニ料理店「以蟹茂」などもある。以前株主優待制度があったが、平成24年2月を最後に廃止された。
今回のロゴは「玄品ふぐ」と「以蟹茂」にしました。
この会社を取り上げた理由は、以前に株主優待制度があったけれど、平成24年2月を最後に廃止された事について、文句を言いたい・・・というわけではありません。株主優待制度があっても廃止される事があるという事を知ってもらうためです。
廃止のきっかけは、企業業績の悪化にともない優待制度に掛かるコストを削減したいという、経営側の考えがあったからです。
○購入のきっかけ
ごくごく単純で、「玄品ふぐ」と「以蟹茂」に行く機会が多く、株主優待制度があったからです。特にシーズンである冬場には「玄品ふぐ」に月1回位行っていました。廃止後は行く機会が減りましたけれど。
優待制度があった頃は、1株保有者に3,900円相当の優待券が半年毎にありました。3,900円はてっちりセット1人前分です。購入時の株価は106,000円ほど。優待利回り※は8%位と効率でした。
※優待利回り
株主優待の評価額÷購入価格×100で計算しています。購入価格にはその優待を受けるのに最低必要な株数×購入時株価+手数料等になります。
平成20年頃は店舗展開も積極的で、都内でも新橋、渋谷、新宿だけでなく、東急田園都市線あざみ野にまで出店していました。ただ、格安ふぐ店の競争が激しく、売上減少やコスト増などで業績を悪化していきました。
○今後の投資展望
現在の株価は161円(平成26年11月6日終値、現在は1単元100株)で購入時と比べると1/10になってしまいました。廃止になった平成23年ごろの業績は一株あたりの純資産がマイナスでした。平成26年3月期20.3円と黒字を取り戻し、売上高も上昇傾向です。ただ、不良債権の処分等で純利益ベースでは赤字がまだ続く予定で、無配当や優待の復活は当分なさそうです。
○まとめ
私の株式投資の考え方のひとつに「株主優待制度を導入している企業は業績がいい」ということがあります。裏を返せば、廃止する事は株主にコストを掛けられないほど業績が悪化していると言えます。注意してほしいのは廃止だけでなく優待内容が変更された場合です。
業績等による変更と単純に中身を変える場合があります。前者のケースではアミューズ(銘柄コード:43019)が以前“株主専用CD”があったのですが、これがオリジナルトートバックなどに変更されました。後者のケースはワタミ(銘柄コード:7522)で以前は居酒屋の「和民」で使えたものが、繁忙期(土日等)は使えなくなりました。これは繁忙期には一般客を優先されたいという意図からです。
優待の変更や廃止などは先に株価が反応しますので、長期保有目的でも安心せず、常にチェックするようにしましょう。
参考WEBサイト:株式会社関門海HP(http://www.kanmonkai.co.jp/)
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