【2014年 第1回】スマート家庭経営への道
中村 真佐子(ナカムラ マサコ)⇒プロフィール
2013年のコラム連載は、家計ダイエットでした。支出に注目し、特にダイエット効果のある「固定費」を中心に支出減の考え方について触れてまいりました。今年は、それを踏まえ1歩進んで「賢く家庭を経営する」ということに主眼をおいてコラム連載をしていきます。
スマート家庭経営とは?
「家庭経営」という言葉は、数年前に日本経済新聞の新年1/1の新聞で登場してきた言葉です。
収入を得るための仕事、生きるためにお金を使うこと、楽しむための時間を生み出すこと、将来のプランを立てることなどは家庭の「運営」になります。豊かで幸せな家庭を築くには、この家庭における運営を自主的に賢くしてくことが求められるというもの。それは、企業の経営と似ていて同じ視点で行っていくことを「家庭経営」という言葉で表現をしていました。
4月からは消費増税により、消費支出は強制的に3%アップします。
さらにアベノミクス効果がだんだん出てきて、消費者物価が上昇に転じています。
物価上昇に伴う家計への影響
昨年12月に発表された2013年11月分の消費者物価指数は、前年同月比1.5%上昇しています。(下記図表)
食料品などは、景気の回復の影響だけでなく、天候や円安などの為替、原油価格などの要因からも価格が変動し、この冬(2014年冬)では、お野菜が高いなあと実感されている方も少なくないでしょう。
細かい所で景気回復だけではない要因で物価が上昇することもありますが、それは一時的な動きであり、全体を見回すとジワジワと指数の上でも物価上昇がみられ、景気回復に舵を切り替えつつあるのでしょう。
物価が上昇すると、どうなるのでしょう。
上記図表を見ると、11月は前年の同じ月より1.5%上昇しています。
モノの値段が1.5%上昇しているということになりますので、収入が増えないことを前提とすると1.5%以上運用しないと資産が減ってしまうということになるのです。
2014年1月現在の普通預金の金利は約0.02%となっていますので、普通預金に金融資産をずっと預けっぱなしであれば、資産は目減りしているということになります。
安倍政権は物価上昇の目標値(インフレターゲット)を2%にしていることから、これからも物価の上昇は予想されます。
現在すでに進行している物価上昇、4月に控えている消費増税という経済情勢は、私たちは生活に大きく影響するのです。
家計運営のはじめの1歩
家計運営のはじめの1歩
このような経済情勢は、数字を見なくとも、肌で多少なりとも感じている方がほとんどでしょう。
それを「野菜が高いわ~」「消費税上がるけどどうしよう」とつぶやきつつ、単に節約に走るのではなく、さらに1歩進んで家庭経営を初めて見ましょう。
アベノミクスの政策の一つとして、「収入アップ」がありますが、実際に収入がアップするのは、まだ先のことと考え、2014年に取り組むべきことを考えてみましょう。
その一つとして挙げられるのは、「家庭の資産を運用する」ということです。
資産を減らさない為には、物価上昇率よりも高い運用率で運用することが理想です。
仕事による収入に加えて、お金に働いてもらい資産を殖やす行動を起こしてみましょう。
どうして「運用」が必要性なのでしょう。
収入が増えないということを前提とすると、支出の削減を考えますが節約にも限界があり、「豊かな生活」は程遠くなります。
今まで、普通預金など、金利が低く安全性の高いもののみで金融資産を運用している場合は、金利が引くため物価上昇に伴い資産は減ってきます。物価上昇と同じペースで金利も上がっていけば運用する必要はありませんが、日銀は金融政策として金融緩和を続けていくと宣言しており、金利上昇もしばらく望めません。このようなことから「運用」は必要なのです。
「資産運用」を始めることを、家庭経営の初めの1歩とし行動を起こしてみてはいかがでしょう。
ただ、資産運用をするには資産があることが前提です。その資産さえもない家庭が約20%いるという現実があります。
次回は資産をつくる上で大切な「貯金」についてみていきます。
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